Project/Area Number |
23K17929
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 34:Inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 健太郎 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40281589)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 分子ピット / 孤立分子 / 1分子操作 / テンプレート / 分子組織 / 1分子操作 |
Outline of Research at the Start |
一分子の固有の電子構造を解析し、特異な反応を見いだすために、基板上で孤立した分子を安定に配列化する方法論を見いだし、凝集系とは異なる孤立した分子の電子構造、反応性を明らかとし、それらを応用した機能素子構築を目的とする。具体的には、電極表面上に、特異的な分子吸着サイトとなる周期性テンプレートを大環状化合物の二次元結晶を基に作成し、生成した「分子ピット(落とし穴)」に分子サイズや相互作用の特異性を利用してフラーレンや分子磁石などを基板上で補足・固定化し、分子ピットの中に孤立して吸着した分子の単分子計測、単分子反応制御を行う。それらをもとに、分子メモリーなどへの展開を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
一分子の固有の電子構造を解析し、特異な反応を見いだすために、基板上で孤立した分子を安定に配列化する方法論を見いだし、凝集系とは異なる孤立した分子の電子構造、反応性を明らかとし、それらを応用した機能素子構築を目的とする。具体的には、電極表面上に、特異的な分子吸着サイトとなる周期性テンプレートを大環状化合物の二次元結晶を基に作成し、生成した「分子ピット(落とし穴)」に分子サイズや相互作用の特異性を利用してフラーレンや分子磁石などを基板上で補足・固定化し、分子ピットの中に孤立して吸着した分子の単分子計測、単分子反応制御を行う。それらをもとに、分子メモリーなどへの展開を図る。そのためには、(1)電極表面上に、特異的な分子吸着サイトとなる周期性テンプレートを大環状化合物の二次元結晶を基に作成し、生成した「分子ピット(落とし穴)」に分子サイズや相互作用の特異性を利用してフラーレンや分子磁石などを基板上で補足・固定化する、 (2)分子ピットの中に孤立して吸着した分子の単分子計測、単分子反応制御を行う、 (3)単分子反応、単分子マニピュレーションを行うことにより分子メモリーなどへの展開を図る、ための検討を行う。 研究の前半にあたる令和5年度は、安定に単分子を孤立し固定化するための分子ピットを拡張するために、現在までにナノポーラス液晶研究のために合成してきた大環状化合物のライブラリーを用い、二次元結晶化に適した分子修飾を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにC60を捕捉できる内径が約1ナノメートルの大環状化合物を用いた分子ピットの構築に成功してきた。この大環状化合物は4つのカルバゾールを4つのサルフェンで連結した分子骨格からなり、大環状分子周囲に複数のアルキル基を導入することで、分子の溶解性及び基板上での2次元結晶化を担保する設計とした。これに対し、内径が約2倍となる巨大環状化合物の合成を行った。この分子は、カルバゾールの代わりに、より広いπ平面を持つジインドロカルバゾールを導入した設計となっている。大環状化合物と同様に、周囲に複数のアルキル基を導入する検討を行ったが、剛直な分子骨格による強い分子間相互作用を調節するために、異なる側鎖を導入した数種類の巨大環状化合物の合成を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
電極基板上に二次元組織化した種々の大環状化合物をテンプレートとしてフラーレンや分子磁石の高密度アレイを構築し、テンプレート分子の形状に合わせて集積した分子アレイの、プローブ顕微鏡技術を用いた電子構造解析、選択的反応、選択的マニピュレーションを行い、さらにそれらを用いたデジタルデータ不揮発性メモリーを構築する。STMプローブを用いて、個々の分子を選択的に酸化もしくは還元反応などにより電子構造変換、またそれに付随して、本方法論で初めて生み出される分子群から新奇物性を見いだす。
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