Project/Area Number |
23K17959
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 36:Inorganic materials chemistry, energy-related chemistry, and related fields
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊田 進太郎 熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 教授 (70404324)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | ナノシート / 応力誘起触媒反応 / 酸化物 / 光触媒 / ラマン分光法 / 自立膜 / 応力 / 触媒機能 |
Outline of Research at the Start |
光触媒や電極触媒反応は表面で化学種が吸着し電子の授受が起こることで進行するため、吸着する表面の構成元素の配列状態に触媒活性は影響を受ける。つまり、触媒表面の結合距離を自在に短くしたり、長くしたりすることができれば、触媒活性が低いと考えられている材料でも高い活性を与える触媒になり得る可能性がある。本研究ではナノシートに応力加えて結合構造を積極的に変化させ、新しい触媒機能の探索を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
光触媒や電極触媒の研究開発においてその触媒活性は、反応サイトの局所構造、その周囲の構成元素間の結合状態や元素配置などの結晶構造に強く影響を受ける。そのため反応サイトやその周囲環境に関連する結合状態をある程度の範囲で制御でき、かつ実在材料としてその特殊構造の物性評価が可能となれば、新しい触媒材料が創製きる可能性がある。一方で、そのような特殊構造の創製は難しい。本研究ではこれらの課題に対して、酸化物、酸窒化物、水酸化物のナノシートに注目し、それらを積極的に引っ張る、もしくは圧縮することで特殊構造の創製し、構造変化により誘起される機能を理論計算により予測するとともに、実験による検証を実施しながら特殊構造に基づく、新しい光触媒活性や電極触媒機能を創出することを目的として研究を実施した。本研究では、応力印加によりナノシートの結晶構造を変化させることが第一段階であるため、本年度は、ペロブスカイト構造を持つ酸化物ナノシートに応力を印加してラマン分光法を用いて結晶構造が実際に変化するかを確認した。 実験では、Aサイトにナトリウム、Bサイトにタンタルを含む層状酸化物を固相法で作製し、酸交換、剥離反応を得て、タンタル系のペロブスカイトナノシートを合成した。その後、吸引濾過法により厚さ数十マイクロメートルの厚さのナノシート自立膜を得た。その自立膜を湾曲させて、引っ張り表面と圧縮表面の結合状態をラマン分光法で評価した。その結果、引っ張り表面と圧縮表面でラマンスペクトルに変化が明確に確認でき、応力により結晶構造を変化できることを確認した。また、引っ張り表面と圧縮表面の光触媒反応において反応性の違いも確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応力によりナノシート触媒の結晶構造や触媒活性の変化が確認されており、予想した計画通り進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノシート自立膜の光触媒活性に関して、引っ張り面と圧縮面で光触媒活性が大きく変化する可能性を本年度の成果として得られた。また、両者のラマンスペクトルを測定すると、スペクトル波数が変化しており、応力が特殊構造を誘起したサンプルにかかっていることも確認された。本年度は、応力印加により新しい電子状態が形成されることを対象とするナノシート構造のDFT計算により確認する予定である。また、応力印加構造と触媒活性の相関に関しては、ナノシート自立膜を2cm~0.1mmの曲率で湾曲させて、引っ張り部と圧縮部の構造と触媒活性を解析して導出する計画である。 本年度は、このようは手法により、ナノシート構造を制御しながら光触媒媒活性や酸素還元触媒活性、水素・酸素生成電極触媒活性を評価し、特殊構造に基づく、新しい光触媒活性や電極触媒機能を探索する。
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