Novel mechanisms in the acquisition of bacterial antibiotics resistance
Project/Area Number |
23K17966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 37:Biomolecular chemistry and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂口 和靖 北海道大学, 理学研究院, 教授 (00315053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 瑠泉 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40750881)
中川 夏美 北海道大学, 理学研究院, 助教 (30881528)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 機能性ペプチド / 細菌 / 抗生物質 / 薬剤耐性 |
Outline of Research at the Start |
抗生物質およびそれらの合成誘導体などの抗菌薬は、細菌による感染症の治療において最も重要な薬剤である。しかしながら、多剤耐性菌の出現が世界的に拡大しており、医学的、社会的に極めて大きな問題となっている。本研究では、細菌rRNAに潜在的にコードされる機能性ポリペプチド(r-Peptide)の翻訳を介した、薬剤耐性機構解明を目指す。 本研究により、細菌の多剤耐性菌の発生メカニズムに基づいた全く新しいタイプの抗生物質の開発へと展開されることが強く期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
抗生物質およびそれらの合成誘導体などの抗菌薬は、細菌による感染症の治療において最も重要な薬剤である。しかしながら、近年これら種々の抗菌薬が効かない多剤耐性菌が出現し世界的に拡大している一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあり、国際社会において極めて大きな問題となっている。細菌の薬剤耐性の獲得には種々のメカニズムによるものが報告されているが、既存のものだけでは説明できない耐性菌も多く、医学的・社会的にも未知の薬剤耐性メカニズムの解明が急務となっている。 本研究では、細菌rRNAに潜在的にコードされる機能性ポリペプチド(以下、r-Peptide)の翻訳を介した、薬剤耐性機構解明を目的とする。この目的のために、大腸菌に対するアミノグリコシド系抗菌薬と特異的r-Peptideを標的として研究を目指す。このために2つの課題、r-Peptideの抗-抗菌活性発現時の細菌細胞に対する効果、および大腸菌におけるr-Peptideの相互作用因子の同定と機能解析を実施する。 初年度は、まずr-Peptideの抗-抗菌活性発現時における大腸菌の形態変化解析を実施した。その結果、抗菌薬存在下において、r-Peptide投与が大腸菌のサイズ、separation stage、inclusion bodyに大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。 さらに、異なるタイプのr-Peptideについても抗-抗菌活性を有することが示された。一方、このr-Peptideは培地への添加と内部発現では大腸菌の増殖に異なる効果を示した。 本研究により、細菌の多剤耐性菌の発生メカニズムに対して今までにない知見と概念を与えるだけでなく、このメカニズムに基づいた全く新しいタイプの抗生物質の開発へと展開されることが強く期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、r-Peptideの抗-抗生物質活性の作用メカニズムを解明するため、カナマイシンおよびr-Peptide存在下で培養した大腸菌細胞の形態観察を実施した結果、カナマイシン存在下、r-Peptideの添加により細胞長が顕著に増加し、さらに変性タンパク質の不溶性凝集体であるinclusion bodyの形成が顕著に促進されることを見出した。また、通常inclusion bodyの形成は細胞の1つの極に生じるが、r-Peptide存在下では細胞の両極に形成されることが明らかとなった。 さらに、異なるタイプのr-Peptideについてもカナマイシン添加によって誘導され、抗-抗菌活性を有することが示された。一方、培地への添加ではこのr-Peptideはそれのみで細胞増殖抑制活性を持ち、内部発現とは異なる活性を示した。これは、大腸菌細胞膜との相互作用によるものであることが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、r-Peptideの抗菌薬の取込みと排出に対する効果解析を行う。臨床的にも重要なアミノグリコシド系ゲンタマイシンの蛍光ラベル化体を合成し、その取込みおよび排出に対するr-Peptideの効果を解析する。 加えて、r-Peptideによるinclusion body形成促進機構のためr-Peptide存在下で形成したinclusion bodyについてnLC-MS/MSを用いたプロテオーム解析を実施し、その形成促進に関与するタンパク質因子を解析する。 さらに、r-Peptide大腸菌相互作用因子の同定のため、UV-crosslinkが可能なBpa残基とビオチン化スペーサーをN末端に導入したcrosslinkラベル化r-Peptideを化学合成し、これ用いてアビジンビーズによりpull-downし特異的バンドの解析を実施する。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)