Project/Area Number |
23K17977
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 37:Biomolecular chemistry and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森井 孝 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90222348)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 二酸化炭素固定化 / RubisCO / 基質選択性 / ルビスコ / 二酸化炭素固定 / タンパク質工学 / カーボンニュートラル |
Outline of Research at the Start |
光合成において大気中のCO2を固定化する反応を触媒する酵素ルビスコは、常温で補酵素を用いることなくCO2を基質RuBPに取り込む反応を触媒する。この反応は、実用的なCO2固定化反応を考える上で大変魅力的であり、基質をRuBP以外へと拡張できれば、CO2を炭素源とした有用分子の生産が可能になる。しかしながら、これまで生体内ではRuBP以外の基質へのルビスコによるCO2導入反応は報告されていない。本研究では、ルビスコの活性中心の三次元構造と反応機構に注目して、基質結合場の形状を変化させたルビスコ変異体を作製し、その結合場の形状に適合するRuBP誘導体を新たな基質とするCO2導入反応の開拓に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
光合成において大気中のCO2を固定化する反応を触媒する酵素リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(ルビスコ)は、常温で補酵素を用いることなくCO2を基質リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)に取り込む反応を触媒する。この反応は、実用的なCO2固定化反応を考える上で大変魅力的であり、基質をRuBP以外へと拡張できれば、CO2を炭素源とした有用分子の生産が可能になる。しかしながら、これまで生体内ではRuBP以外の基質へのルビスコによるCO2導入反応は報告されていない。本研究では、ルビスコの活性中心の三次元構造と反応機構に注目して、基質結合場の形状を変化させたルビスコ変異体を作製し、その結合場の形状に適合するRuBP誘導体を新たな基質とするCO2導入反応の開拓に挑む。 2023年度の研究では、T. kodakaraensis KOD1由来の組換え型Tk-RuBisCOの基質選好性を調べることに成功し、CO2 固定反応を解析する計を確立した。リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)とリブロース5-リン酸(Ru5P)を用いたCO2 固定反応を解析したところ、Tk-RuBisCOはRu5Pを基質とするよりもRuBPを基質とする方が高い活性を示した。さらに、転写因子GCN4のDNA結合ドメインをアダプターとして利用して、好熱菌由来のTk-RuBisCOとRhodospirillum rubrum由来のRh-RuBisCOに融合させた変異体をそれぞれ大腸菌で発現、精製するとともに、これらの誘導体を配置出来るDNAナノ構造体を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【研究1 Rubiscoの基質選択性の改変】ルビスコによるCO2とRuBP間の炭素-炭素結合形成機構を考えると、ルビスコが触媒するCO2導入反応の基質には、RuBPの部分構造が必要な可能性が高い。①ルビスコ変異体の作製:T. kodakaraensis KOD1由来の組換え型Tk-RuBisCOの立体構造をもとにして、ルビスコのRuBPリン酸基結合部位を形成するアミノ酸のうち、Thr54、Lys322、Gly391、Gln389を変異させた結合部位を、モデリングソフトによって系統的に作製した。同様の変異体を光合成細菌Rhodospirillum rubrum由来のルビスコRh-RuBisCOについても作製した。 【研究2 分子配電盤による酵素集積型反応場の構築】転写因子GCN4のDNA結合ドメインをアダプターとして利用して、好熱菌由来のTk-RuBisCOとRhodospirillum rubrum由来のRh-RuBisCOに融合させた変異体をそれぞれ大腸菌で発現、精製した。好熱菌由来のルビスコーアダプター誘導体GCN4-Tk-RuBisCOが12量体を形成して結合するようにGCN4結合DNA塩基配列を配置したDNAナノ構造体と、Rhodospirillum rubrum由来のルビスコーアダプター誘導体GCN4-Rh-RuBisCOが2量体上を形成して結合するようにGCN4結合DNA塩基配列を配置したDNAナノ構造体を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
【研究1 Rubiscoの基質選択性の改変】 ①昨年度設計したルビスコ変異体によるRuBP類縁化合物への二酸化反応導入反応を検証する。Thr54、Lys322、Gly391、Gln389をAlaもしくはThr、Phe変異させたTk-RuBisCO変異体を作製する。 ②基質RuBP誘導体の作製:ルビスコのRuBPへのCO2導入反応機構からCO2導入反応に必要と考えられるRuBPの構造を保持し、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基などを導入した基質群を合成する。③新規CO2固定化反応の探索:系統的に作製したルビスコ変異体を用いて②で合成した基質へのCO2導入反応を系統的に解析し、最適な組み合わせについて反応機構を検証する。 【研究2 分子配電盤による酵素集積型反応場の構築】特定のDNA塩基配列に結合するアダプターを融合したルビスコ変異体を大腸菌で発現、精製後、DNAナノ構造体上の特定の位置に結合させて、細胞内カルボキシソームの環境に近い反応場を構築する。
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