Project/Area Number |
23K17984
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南 篤志 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40507191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永木 愛一郎 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80452275)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | ポリケタイド / 酵素合成 / 天然物 / 酵素 |
Outline of Research at the Start |
「カーボンニュートラル社会の実現」は、今まさに科学者に求められている最重要課題の一つである。本研究では、極めて高い選択性で目的物をつくることができる生体触媒の機能を人為的に制御するための手法を確立することで、現代社会を支える有機合成化学と同じように、「研究者が思い描いた分子を構築する」ための新技術開発に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
糸状菌は、有用な生物活性を示すポリケタイド系天然物の主要な供給源である。本化合物群の炭素骨格にあたるポリケタイド(PK)の構築を担う繰り返し型ポリケタイド合成酵素(iPKS)は、複数の機能単位(=ドメイン)から構成される巨大多機能性酵素である。同じドメインが繰り返し利用されるにも関わらず、炭素鎖長・メチル基の数や位置、酸素官能基の数が異なるPKが構築されることから、各ドメインは、反応点周辺以外の構造に対して寛容であることがわかる。加えて、申請者は、iPKSの集中的な解析と既知天然物の絶対立体配置の詳細な調査により、全てのiPKSが触媒する5つの素反応(縮合・メチル化・還元・脱水・エノイル還元)は、同一の立体選択性で進行することを明らかにした。すなわち、全てのiPKSを構成するドメインの基本的な機能は同一であり、各iPKSが備えているプログラミング機構に応じたPKが構築されていることがわかった。この制御機構を人為的に再現できれば、望みの化学構造をもつPKを合成できると考えられた。この人工マルチモジュラーシステムの実現へ向け、初年度は、エノイル還元反応を触媒するERの機能解析と担体への担持について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カビ由来の遺伝子はイントロンを有するため、イントロンが除去されたcDNA配列を取得し、大腸菌発現系を用いて組み換え酵素を調製した。次いで、a,b-不飽和カルボニル化合物を合成し、対応するSNAC体へと変換した。化学合成した基質アナログを用いて酵素反応を行ったところ、目的の還元体の生成を確認した。溶液系の反応において酵素活性を検出できたことから、次いで、固相系の反応を検討した。現在までに、Niアガロースに担持した状態では同程度の比活性を示し、かつ、繰り返し利用も可能であることを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
本提案を実現する上において、最も重要な点は酵素を担持できる担体の選択にある。安定性、繰り返し利用可能性、比活性、圧力欠損などの指標を判断基準として、最適な担体を選択する。具体的には、化学合成系において利用実績のある高い空隙率と比表面積を持つ「シリカモノリス担体」などを担体として選択し、固相系での酵素反応を検討する。
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