Project/Area Number |
23K17987
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 壮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90716713)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 花粉 / シングルセル / 培養 / トランスクリプトーム |
Outline of Research at the Start |
花粉は単細胞として容易かつ大量に単離することが可能である上に、成熟時には乾燥状態にあるため多くの植物種において特殊な技術を必要とせずとも凍結保存が可能である.しかし、現在に至るまで多様な植物種で花粉培養を可能にするユニバーサルな技術は開発されてこなかった.そこで本研究では、近年発展目覚ましい非破壊的な一細胞単離技術を活用することで、花粉培養のメカニズムを解明し、培養系確立を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
花粉は単細胞として容易かつ大量に単離することが可能である上に、成熟時には乾燥状態にあるため多くの植物種において特殊な技術を必要とせずとも凍結保存が可能である.しかし、現在に至るまで多様な植物種で花粉培養を可能にするユニバーサルな技術は開発されてこなかった.そこで本研究では、近年発展目覚ましい非破壊的な一細胞単離技術を活用することで、花粉培養のメカニズムを解明し、培養系確立を目指す. 2023年度は,花粉のソーティング実験について条件検討を行った.ペチュニアを用いて,花粉のプロトプラストを行い,セルソーターによって花粉を分離した.開始当初はバッファーとソーティング圧の条件が合わなかったが,空気圧を送り込むタイミングを検討し,高効率で目的細胞をソーティングする実験系を確立することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソーティングの条件の探索に時間がかかったが,最終的には良好でハイスループットな系を確立することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 花粉細胞集団の分別と培養可能性の検討 花粉培養効率は「花粉の二型性」が大きな決定因子であるとされている.これは、均一な遺伝的背景をもつにもかかわらず、花粉集団には一定数の未分化な状態の花粉と、成熟状態へと向かう細胞が混在するという観察に基づいており、実際にこれまでのソーティングでもそのような状態を観察している.本研究では今後ペチュニアなど20種程度の多様な植物種を用いて,セルソーターの蛍光測定機能を利用することで細胞の大きさ、内部構造の複雑さ、タンパク質発現状態など様々なパラメーターを計測し、花粉を状態によって分別する.そして、分離された様々な状態のサブ集団それぞれを不定胚誘導し、どのようなパラメーターが培養可能性と相関するのかを明らかにする. (2) 分別された花粉集団の遺伝子発現・代謝プロファイリング 以上の解析によって培養可能性と細胞の外部パラメーターが同時に得られるため、さらにメカニズムの解明を目指す.分別した細胞それぞれについてRNAseqやプロテオミクス解析によって遺伝子やタンパク質発現情報を取得し、細胞周期や成長ステージなどを決定する.培養可能性のマーカーとなる遺伝子が得られることができれば、蛍光レポーター系統を作成し高培養確率細胞集団を分別することも可能になる.また、GC-MSなどを用いた代謝プロファイリングを行い、物質レベルでのさらなる原理の解明を目指す.本解析では培養可能性と相関性がみられる植物ホルモンなどが検出されることを第一に想定しているが、過去の知見において二次代謝産物の蓄積と培養可能性に負の関係性があることも指摘されているため、代謝解析を現象解明の糸口とする.
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