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Micro controller-based high-throughput measurement system for water use characteristics in major cerial crops.

Research Project

Project/Area Number 23K18024
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 39:Agricultural and environmental biology and related fields
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

杉浦 大輔  名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (50713913)

Project Period (FY) 2023-06-30 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Keywordsマイクロコントローラー / Arduino / 水利用効率 / 気孔開閉 / 孔辺細胞 / 気孔コンダクタンス
Outline of Research at the Start

主要イネ科作物のイネとトウモロコシを用いて以下の研究を行う。イネでは、野生型と液胞膜型K+トランスポーター変異体を用い、変動光条件を作り出した人工気象室で、水管理システムを用いてポット栽培を行う。イネのOsNHX1発現、光合成特性、水利用効率を評価し、NHX1遺伝子が気孔開閉速度および水利用効率の向上を通じて、節水性に寄与する可能性を検証する。トウモロコシでは、K施肥量に応じた気孔開閉速度と水消費量の関係を解析する。さらに、共焦点レーザー顕微鏡を用いて孔辺細胞・副細胞の3次元形態を解析する。これらの研究を通じて、迅速な気孔開閉が作物の節水性に寄与する可能性を検証する。

Outline of Annual Research Achievements

マイクロコントローラー (Arduino Mega, ESP32) を駆使し、1システムあたり最大18の植物を栽培したポット重量を自動制御かつ水消費量のリアルタイムモニタリングが可能なローコスト・ハイスループットシステムを開発した。本システムを用いて主要なC3・C4作物を一定の乾燥条件を維持して栽培し、SEM-EDSによる細胞内の元素分析、携帯型ガス交換測定装置による個葉レベルの光合成・蒸散計測、個体レベルの水利用効率の評価を組み合わせることで、これら主要作物の乾燥条件に対する応答を評価した。

イネにおいては、気孔の孔辺細胞におけるカリウムイオン輸送体が気孔開閉に果たす役割に着目し、野生型と同遺伝子の変異体を変動光・乾燥条件下で栽培した。予想に反し、野生型と同変異体は湛水条件と乾燥条件ともに、上述の特性に明確な差は見られなかったが、細胞から個体レベルで一貫した結果が見られたことから、一連の測定手法の妥当性が示された。

その他のダイズやトウモロコシなどの主要なC3・C4畑作物においては、カリウムが迅速な気孔開閉に寄与することで水利用効率が向上する可能性を検証した。本システムを用いて一定の乾燥条件を維持して栽培した結果、いくつかの作物種では、カリウム欠乏条件下で気孔閉鎖が抑制されることで、水利用効率が低下した。また、カリウム高施肥により、特に乾燥条件下で水利用効率の低下が緩和する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今回開発したマイクロコントローラー制御型の水管理システムは、最大18個のポットの重量を個別に高精度に制御できるだけでなく、Wi-Fi通信機能を内蔵しており、計測データをGoogleスプレッドシートに自動転送することで、研究室だけでなく、遠隔地からでもリアルタイムに全てのデータを確認できるようになった。このシステムは、環境制御されたグロースチャンバーだけでなく、より自然に近い環境条件を再現できるガラス温室内でも安定して稼働し、多様な実験条件下で植物の水利用特性を評価できる、非常に汎用性の高いシステムとして完成した。

本システムの導入により、主要なC3作物(イネ、コムギ、ダイズ)とC4作物(トウモロコシ、ソルガム、シコクビエ)の水利用特性に関する大規模な比較解析が効率的に行えるようになり、研究が大幅に進展した。さらに、シロイヌナズナでの利用を想定した小型システムも開発し、様々な遺伝子変異体の乾燥ストレス応答の表現型解析にも着手している。これにより、乾燥耐性に関わる遺伝子の機能解明や、乾燥ストレス耐性機構の分子メカニズムの解明に繋がることが期待される。

Strategy for Future Research Activity

本システムを大量製作・導入し、主要なC3・C4作物に加え、様々な作物種の乾燥条件下での水利用特性を解析する。これにより、様々な遺伝的背景を持つ作物における乾燥ストレス応答の多様性を明らかにし、普遍的な乾燥耐性・適応メカニズムの解明に貢献する。
得られた大規模データから、乾燥耐性・適応に関連する形質を網羅的に探索する。特に、気孔開閉速度、葉・茎・根の通水性、根系形態などの水分生理・形態的特性に着目し、乾燥ストレスに対する応答パターンを詳細に解析する。これらの解析を通じて、乾燥耐性・適応に重要な形質を特定し、その遺伝的基盤を解明する手がかりを得る。
さらに、シロイヌナズナの関連遺伝子変異体を用いた詳細な解析を行う。本システムで特定された乾燥耐性・適応に関わる変異体を用いて、乾燥条件下での表現型を詳細に解析する。これにより、各遺伝子の機能を明らかにし、乾燥耐性・適応メカニズムにおける役割を解明する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Exploring the responses of crop photosynthesis to CO2 elevation at the molecular, physiological, and morphological levels toward increasing crop production2024

    • Author(s)
      Sugiura Daisuke、Wang Yin、Kono Masaru、Mizokami Yusuke
    • Journal Title

      Crop and Environment

      Volume: 3 Issue: 2 Pages: 75-83

    • DOI

      10.1016/j.crope.2023.11.006

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Sink-source imbalance triggers delayed photosynthetic induction: Transcriptomic and physiological evidence2023

    • Author(s)
      Ozawa Yui、Tanaka Aiko、Suzuki Takamasa、Sugiura Daisuke
    • Journal Title

      Physiologia Plantarum

      Volume: 175 Issue: 5

    • DOI

      10.1111/ppl.14000

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 個葉・個体・群落スケールで評価する C3・ C4作物の気孔応答・水利用特性2024

    • Author(s)
      杉浦大輔
    • Organizer
      第65回日本植物生理学会年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 登熟期間中の高 LAI と夜間呼吸速度の抑制が多収イネ品種の高収量に貢献する2024

    • Author(s)
      杉浦大輔, 奥出聡美, 佐藤実栞, 岡本卓哲, 近藤始彦, 荒井 (三王)裕見子, 岡村昌樹
    • Organizer
      日本作物学会第257回講演会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] NHX1遺伝子が変動光・乾燥条件下のイネの水利用特性に与える影響の解析2024

    • Author(s)
      片岡優衣, 三屋史朗, 杉浦大輔
    • Organizer
      日本作物学会第257回講演会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

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Published: 2023-07-04   Modified: 2024-12-25  

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