Project/Area Number |
23K18028
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 39:Agricultural and environmental biology and related fields
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
Ivan Galis 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (90360502)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新屋 友規 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (80514207)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
|
Keywords | ファイトアレキシン / イネ / 植物免疫 / 植物-昆虫間相互作用 |
Outline of Research at the Start |
植物が外敵を撃退するための物質として様々なファイトアレキシンが同定されてきた。一方で、一度機能評価が定まった分子種について異なる切り口から再評価を行うという発想は出にくく、従来のファイトアレキシン関連分子の研究は抗菌/抗昆虫活性の評価に偏重してきた。本研究では、「ファイトアレキシンは直接的な抗菌/抗昆虫活性に加え、免疫系を増強する内性因子として植物抵抗性に寄与する」可能性を検証する。内性免疫制御因子として働くイネファイトアレキシン探索とそれらの機能解明に挑戦することで、植物免疫の頑健性を支えるファイトアレキシンの知られざる側面を解き明かす。
|
Outline of Annual Research Achievements |
植物が外敵を撃退するための二次代謝物として、様々なファイトアレキシンがこれまでに同定されてきた。一方で、一度機能評価が定まった分子種について異なる切り口から再評価を行うという発想は出にくく、従来のファイトアレキシン関連分子の研究は抗菌/抗昆虫活性の評価に偏重してきた。本研究では、「一部のファイトアレキシンは直接的な抗菌/抗昆虫活性に加え、免疫系を増強する内性因子として植物抵抗性に寄与する」可能性を検証する。本研究は、内性免疫制御因子として働くイネファイトアレキシンの探索とそれらの機能解明に挑戦することで、植物免疫の頑健性を支えるファイトアレキシンの知られざる側面を解き明かすことを目的としている。 イネのファイトアレキシンの1種をイネに添加したところ、トビイロウンカに対するイネの耐虫性が向上することを明らかにした。本耐虫性試験時に、当該ファイトアレキシンを処理したイネにおいて、数種のトビイロウンカ食害誘導性二次代謝物の蓄積が促進されることを見出した。そこで、当該ファイトアレキシンに内性免疫制御因子として機能する可能性を見出し、イネに対して単独で処理した際に起こる応答を解析することとした。その結果、数種の防御関連二次代謝物の蓄積誘導に加え、防御関連遺伝子や植物ホルモン応答遺伝子の発現量の変動が認められた。さらに植物ホルモン蓄積量への影響の解析を行っており、これらを含めた当該ファイトアレキシンに対する応答の解析を現在も進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、イネにおいて内性免疫制御因子として機能するファイトアレキシン候補を見出しており、一定の成果を得ている。現在、当該ファイトアレキシンが影響する植物免疫の範囲の解析を継続して進めており、令和5年度に計画していた一部応答解析を次年度に行うこととしたが、今後さらなる成果が積みあがることが期待される。一方で、次年度の実施予定である内性免疫制御因子として機能するファイトアレキシンの探索に向けて、有効な実験系の構築を令和5年度より進めており、一定の進展が得られている。以上のように、研究全体としておおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当該ファイトアレキシン処理により変化するイネ免疫応答の解析を、令和6度も引き続き行う。イネにおいて、当該ファイトアレキシン添加にともない起こるトビイロウンカへの耐虫性向上が内性免疫制御機能によるものか、あるいはファイトアレキシンの直接的な抗昆虫活性によるものなのかを明らかにする。当該ファイトアレキシンがトビイロウンカに対して抗昆虫活性を示すのかどうかは不明なため、抗昆虫活性試験を行う。さらに令和6度は、内性免疫制御因子として機能するファイトアレキシンをイネにおいて新たに探索することを計画している。
|