Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
本研究では、水分欠乏時における、無機リン酸やABAの蓄積、PSRやABA応答性遺伝子の発現について時空間的解析を行い、水分欠乏時におけるリン酸欠乏応答機構を解明する。その機構をもとに、PSR遺伝子の選抜とモニタリング部位の最適化を行い、作物の水分欠乏状態を早期に検知できるウェアラブルセンサーの開発に必要な研究基盤を確立する。
本年度は、植物の水分欠乏早期検知システムの開発に必要な研究基盤の確立を目指して、国際農研で開発した圃場の干ばつ実験システムを用いて、ダイズの乾燥ストレス試験を実施した。開花直前のタイミングにおいて、時間毎のダイズの葉のサンプリングを行い、経時的な遺伝子発現解析(RNAseq)を行った。また、既存のセンサーや開発中のウェアラブルセンサーを実際の圃場のダイズの葉に装着し、その有用性を検証した。葉の成長による取り付けの不安定性や、風雨などの影響が大きいことから、長期的にダイズの葉に安定してセンサーを設置することは難しく、茎など、他の組織を対象としたセンサー開発を検討することにした。さらに、理研の作物型全自動表現型解析システムCRIPPSにおいて、前年までに確立したダイズの乾燥ストレス実験系を用いて、段階的な土壌水分レベルで育成したダイズ葉の遺伝子発現変化を解析した。その結果、水分レベルの低下に応じてリン酸応答遺伝子の発現が上昇することを明らかにした。完全室内環境でのCRIPPS解析においても、圃場で確認されたのと同様のPSR応答が起こることから、CRIPPSにおいて圃場を模した解析を行えることを実証できた。また、CRIPPSにおいても既存のセンサーのダイズへの取り付けを試みたが、ベルトコンベア上で安定して装着し続けるために、バッテリーや本体の軽量化が課題となった。さらに本年度は、CRIPPSを用いてダイズの収量評価を行う系の構築を行った。栄養条件および土壌水分条件を組み合わせた解析により、それぞれの条件に応じたバイオマスおよび子実重量変化を観察することが可能になった。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
本研究の基盤となる論文が受理された。予定していた圃場および全自動表現型解析システムにおけるダイズの乾燥ストレス試験を行い、表現型解析やサンプリング等を実施した。さらに、工学分野のセンサー開発の専門家とも意見交換しながら、実際にダイズの葉へのセンサー装着を行うなど、予備的な試験を開始している。以上の理由から、研究はおおむね計画通りに進展していると考える。
ウェアラブルセンサーを利用した植物の水分欠乏早期検知システムの開発に必要な研究基盤の確立を目指して、(昨年度とは圃場気象環境が異なることが予想される)今年度も以下の反復実験を行う。 1)国際農研で開発した圃場の干ばつ実験システムを用いてダイズの乾燥ストレス試験を実施し、開花直前のタイミングにおいて、時間毎のダイズの葉のサンプリングを行い、経時的な遺伝子発現やリン酸含量の定量を行う。また、圃場において、既存のセンサーや開発中のウェアラブルセンサーを実際のダイズの葉に装着するための条件検討を行う。 2)理研で開発した全自動表現型解析システムを用いてダイズの乾燥ストレス試験を実施し、設定した各土壌水分において、表現型解析と合わせて部位毎の遺伝子発現解析を行う。
All 2025 2024
All Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 3 results) Presentation (8 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 2 results)
Plant Biotechnology
Volume: 41 Issue: 4 Pages: 447-452
10.5511/plantbiotechnology.24.0807a
JATAFFジャーナル
Volume: 12 Pages: 17-22
Frontiers in Plant Science
Volume: 15 Pages: 1434388-1434388
10.3389/fpls.2024.1434388
Rice
Volume: 17 Issue: 1 Pages: 1-16
10.1186/s12284-024-00705-z