Project/Area Number |
23K18041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平松 尚志 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (10443920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東藤 孝 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (60303111)
藤田 雅紀 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (30505251)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | サーモン / カロテノイド代謝 / ゲノム編集 / メダカ / 翻訳調節 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、アスタキサンチン(Ax)色素による魚類の身色制御機構について、「スカベンジャー受容体クラスBタイプ1(Srb1)によるAx取込みを増やし、βカロテンオキシゲナーゼ(Bco)による分解を抑えれば、赤味が強くなる」と仮説を立て、①ニジマス及びメダカでBco遺伝子のゲノム編集を実施し、Ax添加餌料で育成した後、身色やAx蓄積等の形質解析を行う、②低着色な若年と高着色な出荷魚で、Bco及びSrb1蛋白質とマイクロRNA発現データの比較を行い、両蛋白質を介した身色制御に関わるマイクロRNA候補を探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、魚類カロテノイド分解に関わる遺伝子候補に着目し、その翻訳制御機構を解明すると共に、同候補のゲノム編集が身色形質の改善に有効か否かを試すことを目的とする。目的達成に向け、「スカベンジャー受容体クラスBタイプ1(srb1)を介したアスタキサンチン(Ax)取込み量を増やし、βカロテンオキシゲナーゼ(bco)による分解を抑えることができれば、最終的に筋肉のAx蓄積量が増え赤色呈色性が強くなる」と仮説を立て、これを直接的にゲノム編集により実証する課題1と、未知な点が多いsrb1及びbcoの翻訳制御機構を明らかにする課題2を実施する。 R5年度は、公開ゲノムデータベースを探索し、ニジマスではbco1, bco1l, srb1遺伝子、メダカではbco1とbco1l遺伝子について、各ゲノム上の位置や配列を特定した。この情報を基に、課題1では、各遺伝子のガイドRNA(gRNA)を設計・合成した。これらのgRNAとCas9ヌクレアーゼを用いて、ニジマス及びメダカの受精卵に顕微注入し作出したF0胚について、ヘテロ二本鎖移動度分析(HMA)とシーケンス解析結果、両種ともにbco1lに関しては、変異導入個体が確認できた。一方で、その他の遺伝子については、変異導入個体の作出に至らなかった。課題2に関しては、両種から上記遺伝子転写産物のcDNAクローニングを行い、全てのクローニングを完了した。メダカbco1lについては、組換え蛋白質とその抗体を作製し、抗原組換え蛋白質との免疫陽性反応を得た。この抗体を用いて、消化管試料のウェスタンブロッティングを実施したが、陽性反応は確認できなかった。現在、bco1l以外の遺伝子由来の組換え蛋白質の作製も継続中である。一方、身色の赤色呈色を獲得前の若年魚と同呈色獲得後の出荷魚を用い、消化管におけるmiRNA発現データの取得を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R5年度は、目的とする複数のbcoファミリー遺伝子及びsrb1遺伝子について、2魚種を対象にゲノム編集を施した。変異導入試験魚の生残性が低く、変異導入が確認できなかった遺伝子があるものの、bco1lについては、実際に変異導入が可能なことを確認した。また、bcoファミリー遺伝子及びsrb1遺伝子転写産物のcDNAクローニングを終了し、組換え蛋白質の作製にも着手している。先行するメダカbco1lについては、WBでの同タンパク質の検出はできなかったものの、組換え蛋白質に陽性反応を示す抗体作製まで至っている。解析予定の候補遺伝子のうち、一部、未実施のbcoファミリー遺伝子(bco2)があるものの、概ね計画通り進行中である。また、miRNA解析もデータ取得まで至っており、計画通り進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度では、変異導入が確認できなかった遺伝子について、引き続き、可能な限り変異導入を試みる。また、bco2についてもゲノム上の遺伝子特定とcDNAクローニングを行う。一方、先行するbco1lの解析において、抗体によるタンパク質検出が困難であった。これは、消化管におけるbco1の含有量が極めて低いことに起因すると考えられたことから、抗体の特異性を高め、より高感度なウェスタンブロット法を用い、再度の検出を試みる。miRNA発現データにおいては、試料間に発現差があるmiRNA(DEMI)の特定を行い、それらの結合する転写産物候補をin silico探索し、これらDEMIがsrb1及びbcoの翻訳制御に関連する可能性を検証する。
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