Project/Area Number |
23K18059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 41:Agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, and related fields
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
長峯 邦明 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 准教授 (00551540)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 根-細菌間相互作用 / 生物電気化学 / 電気化学 / 電気刺激 / スマート農業 |
Outline of Research at the Start |
本研究は申請者独自の細菌/電極間接続技術を基盤とした根/土壌細菌/電極複合材料を創出し、土壌中で進行する根-土壌細菌間相互作用をリアルタイムで計測・制御することに挑戦する。それにより①土壌中で進行する根-土壌細菌間相互作用の時々刻々の変化とは何か?②人為的に機能が制御された細菌による植物生長への影響とは何か?という学術的問いを明らかにしながら、農業現場でもその場連続計測・制御に基づいて土壌微生物の効果を最大限活用できる革新的スマート農業技術を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者独自の細菌/ 電極間電気的接続技術を基盤とした根/土壌細菌/電極複合材料を創出し、土壌中の根-土壌細菌間相互作用をリアルタイムで計測・制御することに挑戦する。そのため研究内容は相互作用の<測定法>と<制御法>の研究から成る。測定法に関しては、フェロセンを側鎖に持つポリエチレンイミンを合成し、枯草菌と共にカーボンフェルト電極表面に吸着させることで枯草菌の代謝活性を、異種細菌混合下でも選択的に検出可能であることを示した。これにより、土壌中の異種細菌が存在する中でも、微生物資材として扱う細菌の代謝活性を選択的に検出できる可能性を示した(論文準備中)。制御法に関しては、イオン電流による刺激と酸化還元反応による刺激の2種類を検討している。イオン電流刺激では、電気刺激により枯草菌の増殖活性を制御可能であることを見出した。このことは、電気刺激が微生物資材の代謝活性の制御を可能にし、ひいては植物へのポジティブな作用が制御できる可能性を示唆している。酸化還元反応刺激については、その基盤技術としてニュートラルレッドを用いた細菌細胞内酵素活性の測定系を確立した。その成果を受けて、ニュートラルレッドのレドックスポリマ化に着手し始めた。細胞外のレドックスポリマと細胞内酵素の反応を繋ぐことで、細胞内酵素反応を電気化学的に制御することが可能か今後検討する。 以上の成果を基に現在論文を準備中である。また、これらの成果は学会2件(国際学会1件と国内学会1件)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、測定法の研究と、制御法の研究から成る。測定法は、フェロセンを側鎖に持つポリエチレンイミンを合成し、枯草菌と共にカーボンフェルト電極表面に吸着させることで枯草菌の代謝活性を、異種細菌混合下でも選択的に検出可能であることを示した。これにより、土壌中の異種細菌が存在する中でも、微生物資材として扱う細菌の代謝活性を選択的に検出できる可能性を示した(論文準備中)。制御法は、枯草菌と青枯病菌(土壌病原菌)の共培養系において、枯草菌が青枯れ病菌の増殖を抑制する作用を有することを見出した。また、電気刺激により枯草菌の増殖活性を制御可能であることを見出した。以上の成果は、「電気刺激が微生物資材の代謝活性の制御を可能にし、ひいては植物へのポジティブな作用が制御できる可能性」が示唆された。また、電気化学的細菌呼吸制御法:ニュートラルレッドを用いた細菌の嫌気代謝活性の測定系を確立した。その成果を受けて、ニュートラルレッドのレドックスポリマ化に着手し始めることができた。 以上の成果は当初想定していた目標に相当するため、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
測定法の研究に関しては以下2項目を計画している。土壌中での安定した長期電気化学測定を目指し、①固定化レドックスポリマ(RP)の電流応答の長期安定性試験(水中と土壌中)、および②細菌代謝活性由来の電流応答の長期安定性試験を実施する。①は電極に対するRPの物理吸着力の安定性を評価しながら、もし不安定な場合は電解重合法による導電性高分子との共固定化法を検討する。②は、RPへの電子供与による細胞内エネルギー合成阻害が懸念される場合はRPの固定化量を最適化する。②長期安定測定に向け、土壌中での電解質ゲルの生分解の有無を調べる。 刺激法の研究に関しては以下4項目を計画している。①バルク電極を用いた細菌集団の電気刺激の検討。②電気刺激で増殖能を活性化させた枯草菌の分泌成分の分析。③ニュートラルレッドを側鎖とするレドックスポリマ―(NRP)を用いた細菌代謝活性計測法の検討。④NRP修飾電極による電気刺激時の細菌の増殖能の評価(呼吸活性制御の可能性検証)。
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