Project/Area Number |
23K18063
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 41:Agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, and related fields
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤松 史光 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10231812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 晋也 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70969683)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
|
Keywords | バイオマス / 資源循環システム / アンモニア生産 / 窒素エネルギー / 植物栄養代謝 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、窒素循環型システム構築のため、硝酸態窒素から植物・微生物の還元力を活用してアンモニアを生産する技術開発を目的とする。 脱炭素社会実現のための代替エネルギーとしてアンモニア燃焼が注目されている。しかし窒素からアンモニアを生産する際の大量エネルギー消費と生産される窒素酸化物NOxの処理が課題である。本研究では植物の活用によりアンモニア燃焼後の硝酸態窒素をアミノ酸・タンパク質として蓄積させ、アンモニア生成微生物等の活用によりアンモニア生産経路を開拓することを目指す。化石燃料に依らないバイオマスエネルギーを活用することにより持続的な窒素循環社会の構築に必要な要素技術開発を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアンモニア燃焼から発生する硝酸態窒素を再利用し、環境に優しいエネルギー循環システムを構築することを目的としている。具体的には、硝酸態窒素からアンモニアを再生産する一連のプロセスを開発し、次世代エネルギーの持続可能性を高めることを目指している。 この変換プロセスは三段階に分けられ、第一段階で植物が硝酸態窒素を吸収しタンパク質へ変換、第二段階で微生物などがこのタンパク質をアミノ酸や尿素など、アンモニアに変換しやすい中間物質に変換し、最終段階でこれらをアンモニアに変えて濃縮する。 今年度の実験では、硝酸態窒素を吸収する第一段階の実験において、ウキクサ類に焦点を当てた。ヒメウキクサを使った試験では、硝酸態窒素とアンモニア態窒素の比率を変えた培養により、ウキクサの成長に及ぼす窒素形態の影響を検証した。結果、硝酸態窒素が増えるほど成長が良好であり、ウキクサが窒素循環システムでの有力な植物候補であることが確認された。また、第三段階のアンモニア生産ステップの効率化を目的とした実験では、ナタマメ由来の酵素を用いた尿素からのアンモニアの合成実験を検証したところ10分以内で反応が確認された。さらに土壌や水からアンモニア生産能をもつ可能性のある微生物分離を目指し、現在までにいくつかの土壌から微生物プールを採取した。スクリーニングをすすめることにより効率的なアンモニア生産微生物の特定と培養条件の最適化を進める予定である。今後、各ステップの産物が次のステップにつながるようプロセスを検証し、窒素資源循環システムとして機能することを目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度である本年は、実験に供する材料、特に植物や微生物の取得に時間がかかったことから、実験立ち上げ時期が遅くなった。ただし進めている研究自体に大きな支障はなく、初年度の若干の遅れは2年度以降に回復する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、硝酸態窒素からアンモニアを再生産する一連のプロセスを開発し、次世代エネルギーの持続可能性を高めることを目指している。この変換プロセスは、第一段階で植物が硝酸態窒素を吸収しタンパク質へ変換、第二段階で微生物などがこのタンパク質をアミノ酸や尿素など、アンモニアに変換しやすい中間物質に変換し、最終段階でこれらをアンモニアに変えて濃縮する。 現在までに第一段階として、ウキクサが硝酸態窒素を効率よく吸収して成長することが明らかとなったが、この植物による硝酸態窒素の吸収・還元能力の詳細を検証するため、吸収可能な窒素成分の量とその成長度合いとの相関を明らかにする。また、今回用いている硝酸イオン以外の硝酸態窒素で生育可能かどうか検証する。 また、前年度に引き続き、土壌や水からの微生物のスクリーニングを進め、アンモニア生産能をもつ可能性のある微生物を単離し、その能力を検証する。 さらに、硝酸態窒素をタンパク質に還元する植物の能力と、第三段階のアンモニア生産能のある微生物との橋渡しとして、植物バイオマスを資源として増殖する微生物等の中から、タンパク質からアンモニアの変換の中間産物を生産する微生物を探索する。具体的にはタンパク質からアミノ酸を生産して蓄積する微生物、あるいは尿素などのアミノ酸以外のアンモニア態窒素を蓄積するような微生物を探索し、アンモニア生産の高効率化の要素を開発する。
|