Project/Area Number |
23K18082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 42:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
蓮輪 英毅 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50343249)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | ゴールデンハムスター / 遺伝子改変動物 / ゲノム編集 |
Outline of Research at the Start |
ゴールデンハムスターはマウスよりもヒトに類似した遺伝子を有しており、新しいヒト疾患モデル動物として期待されている。本研究では、ゴールデンハムスターの可能性を拡大する目的で新たな遺伝子改変方法の開発や遺伝子改変ゴールデンハムスターの保存法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ゴールデンハムスターはマウスには無いヒト疾病遺伝子があったり、ヒト感染症の感染モデルとして使われるなど、新しいヒト疾病モデル動物として期待されている。しかしながら、初期胚の取り扱いが難しいことやモデル動物としての実績が少ないためにゲノム情報を含め発生工学的手法や様々な遺伝子情報が不十分であった。申請者は、これまでにゴールデンハムスターゲノムの再構築およびゲノム編集による遺伝子改変ゴールデンハムスター作製法の開発などを行ってきた。さらに新しいヒト疾患モデル動物としてゴールデンハムスターを有用なものにするために、ゴールデンハムスターの胚および配偶子の凍結方法を確立するとともにセーフハーバー領域に任意の配列をノックインすることを目的として研究を計画し実施した。 1)ゴールデンハムスターの人工授精法の開発 排卵前日の雌を用いて、精巣上体精子懸濁液を子宮に注入し、翌日以降に受精の有無を確認した。初期の条件として、注入時間は18時に設定した。これは交配のために雌雄を同居させる時間および交尾行動の観察から決定した。現時点では受精卵を得ることができていないが手技の確認や各種問題点をあぶり出すことができ、来年度以降の実験計画を具体化することができた。 2)ノックイントランスジェニックゴールデンハムスターの作製 マウスのROSA26領域に相当するゴールデンハムスターのゲノム領域を解析し、ゴールデンハムスターにもROSA26が存在することを明らかにした。また、マウスでこれまでに実施されているノックインベクターを参考にして、ターゲティングベクターのデザインを行い、ゴールデンハムスターのROSA26領域のゲノム配列をクローニングした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゴールデンハムスターの人工授精法の開発では受精させることができていないが、手法など実験全体の確認ができたため、翌年度以降に研究を進展させる準備ができたと考えている。 ノックインするためのベクターデザイン、ゲノムクローニングが完成したことから、24年度内にはノックインのためのマイクロインジェクションを実施できる準備ができたと考えている。 また、昨今の物価高騰により実験動物価格、飼育機材価格も当初の予定の1.5倍程度になっていることから、維持のために繁殖させている遺伝子改変動物から出てくる余剰な野生型などを使うことで研究費利用の効率化をはかることにした。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ゴールデンハムスターの人工授精法の開発 これまで受精卵が得られていないため、注入した精子を可視化することで、どのポイントに問題があるかを明らかにする。可視化する方法は子宮に注入する前の精子にミトコンドリアを可視化させるためのMito trackerで処理することで、注入した精子の所在を蛍光で確認できるようにする。ゴールデンハムスターは交尾しても片側の卵管だけ受精していないことが頻発するため、この方法を用いることでその問題の解決にもつながることが予想される。また、排卵後の卵管膨大部に直接精子を注入する方法も合わせて実施する。 2)ノックイントランスジェニックゴールデンハムスターの作製 これまでにクローニングしたゲノム断片の間にGFP発現ユニットを組み込みターゲティングベクターを完成させる。GFPは全身で発現させるためのCAGプロモーターおよび生殖細胞で発現させるためのVASAプロモーターの2種で構築する計画である。完成したベクターは2本鎖、あるいは1本差DNAとしてマイクロインジェクションにより1細胞期の受精卵に注入させる。
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