Project/Area Number |
23K18118
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 43:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城口 克之 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00454059)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
|
Keywords | 1細胞解析 / RNAシークエンシング / 運命予測 / 機械学習 / 網羅的計測 / 情報科学 |
Outline of Research at the Start |
細胞の運命はいつ、何で決まっているのか。これは、病気に早く介入するためにもなる重要な問いであるが、アプローチが難しい。本研究では、細胞の未来決定機構を解明するために、予測科学と網羅的解析を統合した新しいアプローチを開発する。細胞の運命を決める点を細胞の画像からAIを用いて推定し、決定の前後や異なる運命に向かう細胞の遺伝子発現を網羅的に計測・比較して、運命を決定する分子メカニズムを解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
細胞の運命はいつ、何で決まっているのか。これは、病気への早い介入にも有益な重要な問いであるが、実際のアプローチは難しい。本研究では、細胞の未来決定機構を解明するために、予測科学と網羅的解析を統合した新しいアプローチを開発する。細胞の運命を決める時点を細胞の画像からAIを用いて推定し、決定の前後や異なる運命に向かう細胞の遺伝子発現を網羅的に計測・比較して、運命を決定する分子メカニズムを解明する。 本年度は、負荷を積極的に与えて数割の細胞が死滅する条件を見つけることができた。また、この細胞が死滅する(もしくは生き残る)様子を顕微鏡で経時観察し、各細胞を追跡するプログラムを構築した。これにより、負荷を与えた直後の細胞画像と、どの細胞が生き残るのか、または死滅するのか、という未来の情報を合わせたデータを得ることができた。さらに、細胞画像を自動で切り出すプログラムも構築した。その結果、負荷を与えた直後の細胞画像と細胞の運命(生きるか死ぬか)の情報を入力として機械学習をすることにより、細胞画像を用いた未来予測にチャレンジできる状況となった。現在、複数の機械学習モデルを試しながら予備的結果が得られている。 運命予測において一定の精度を得られた後は、網羅的遺伝子発現解析を実施して、細胞の運命決定にどのような遺伝子が関わるのかを調べる予定である。そのために、負荷を与えた後の1細胞分取に着手しており、最終的なデータ取得に向けて条件を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞(ヒト、マウス)を用いて、温度を上昇させることにより、適度な数の細胞が死滅する条件を検討した。細胞を含む容器内の温度変化を計測し、容器全体が安定して温度変化するシステムを構築した。これを用いて様々な高さの温度や時間を検討し、最終的に、複数の培養細胞において、温度を上昇することにより、数十時間程度で数割の細胞を死滅させることができる条件を決定した。 細胞が死滅する(もしくは生き残る)経過を顕微鏡で観察・録画し、録画した各細胞の動きを自動で追跡するプログラムを開発した。これにより、温度上昇/降下直後の細胞の画像と、その運命(生きるか死ぬか)の情報をセットで取得することができた。各細胞の画像を自動で切り出すプログラムも開発した。このデータセットを用いて、教師あり機械学習を実施し、温度変化直後の細胞画像からの細胞運命予測において、予備的成果を得ている。この過程において、細胞画像の切り出し方や、様々な機械学習のモデルを検討した。 さらに、今後行う予定の顕微鏡下からの1細胞分取について着手し、最終的なデータ取得へ向けて、いくつかの条件を検討し始めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
得られたデータを用いて機械学習を実施し、温度上昇/降下後のいくつかのタイムポイントにおいて、その時の細胞画像からどれくらいの精度で細胞の運命を予測できるかを検討する。予測精度が低い場合は、より多くの細胞の画像を取得すること、また、複数のタイムポイントの細胞画像を同時にインプットする機械学習モデルを用いる、などを試す。また、細胞が死滅するまでの時間を予測できるかを検討する。この場合は異なる機械学習のモデルを用いる。 ある程度の予測精度を得ることができたら、同じ条件の温度上昇/降下を経た後に画像(もしくは動画)を撮影した細胞を分取し、1細胞RNAシークエンシングを行う。主成分分析などを用いて遺伝子発現の差を網羅的に比較することで、細胞の運命に依存して遺伝子発現がどのように異なるのか、運命を決定している遺伝子やネットワークはあるのか、などを考察する。 これらにより、予測科学と網羅的解析の統合の有効性、プラットフォームの構築、そして、生物研究への応用例を示す。
|