Project/Area Number |
23K18126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 44:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小田 祥久 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30583257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 大介 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (40869765)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 微小管 / 細胞壁 / 植物 / 細胞骨格 |
Outline of Research at the Start |
本研究では研究代表者小田のin vivoでの微小管パターン再構成技術と研究分担者井上のin vitroでのマイクロパターニング技術を組み合わせ、植物の細部骨格の配列パターンをin vitroおよびsemi in vitroで再構成する新技術を開発する。基盤平面上のマイクロパターンや、メンブレンゴースト、人工脂質膜に微小管をアンカーし、植物の細胞骨格の主要制御因子を反応させることで植物に特徴的な細胞骨格パターンの再構成を試みる。これにより植物の細胞骨格パターンの理解に向けた構成生物学研究の基盤を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物の細胞壁はセルロース微繊維を主成分としており、その沈着パターンが細胞壁の物性を決定する。細胞壁の物性は細胞の形態に大きく影響するため、細胞壁の沈着パターンは植物細胞の機能や形態、さらには組織、器官の形成の基盤となる。細胞壁の沈着パターンは細胞膜直下に並ぶ表層微小管の列がセルロース合成酵素の進行を誘導することによって導かれる。これまでに表層微小管同士の相互作用や、細胞膜上の低分子量GTPアーゼタンパク質のシグナル等、様々な細胞内因子が微小管の配列パターンを制御していることが明らかとなってきた。しかし植物の表層微小管の配列パターンを作り出す最小構成の因子群やその作用機序は解明できていない。本研究では植物の微小管の配列パターンをin vitroやsemi in vitroで再構成し、植物の細胞骨格パターンの理解に向けた構成生物学研究の基盤を確立することを目指した。今年度は植物が独自に進化させてきた微小管付随タンパク質を精製し、in vitroで微小管の動態や物性に与える影響を調べるための実験条件を検討した。その結果、ポリリジン等を用いた微小管のアンカリングを避け、基板上にモータータンパク質を固着させ、重合させた微小管を基板上で移動させながら微小管付随タンパク質を作用させることにより、微小管に対する物性を評価することができることが分かった。また、微小管の密度や長さ、タンパク質の量など検討し、効率の良い実験条件を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は植物が独自に進化させてきた微小管付随タンパク質を精製し、in vitroで微小管の動態や物性に与える影響を調べるための実験条件を検討した。その結果、ポリリジン等を用いた微小管のアンカリングを避け、基板上にモータータンパク質を固着させ、重合させた微小管を基板上で移動させながら微小管付随タンパク質を作用させることにより、微小管に対する物性を評価することができることが分かった。また、微小管の密度や長さ、タンパク質の量など検討し、効率の良い実験条件を得ることに成功した。得られた画像データからの情報抽出や統計的な処理についても検討し、一定の成果が得られた。微小管の振る舞いに影響すると考えられるアクチン繊維の結合タンパク質についても精製し、in vitroでのアクチン繊維の重合への影響を調べた。これらは当該年度に計画していた実験であり、得られた成果も予想に沿ったものであったため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り研究を進める予定である。様々な微小管付随タンパク質を精製し、複数のタンパク質を同時に微小管に作用させることにより、植物に特徴的な微小管の構造や動態の再現を試みる予定である。表皮細胞での表層微小管においてはたらくタンパク質や、道管のように特徴的なパターンを示す微小管においてはたらくタンパク質を用い、これらの構造の再現を試みる。微小管付随タンパク質に加え、これらを制御する低分子量GTPaseなども扱う準備を始める予定である。微小管に加え、アクチン繊維に作用する様々なタンパク質、微小管とアクチン繊維の両方に作用すると考えられるタンパク質も精製し、in vitroで両者に対する作用を検証する。タンパク質の精製についても複数の方法を試すほか、植物細胞のプロトプラストから作成したメンブレンゴーストを利用する方法の検証を進める。また、UV局所照射やマイクロプリンティング法を用いたガラス面の微細修飾パターンの構築とその応用を進める。
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