Project/Area Number |
23K18139
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 44:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒木 俊介 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (50735793)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
|
Keywords | 相分離 / 性決定 |
Outline of Research at the Start |
ほ乳類のY染色体には性決定遺伝子Sryが存在する。種の保存という観点からSryは最も重要な転写因子のひとつである。しかし、Sryの発見から約30年が経つにも関わらず、Sryが標的遺伝子を活性化する際の転写メカニズムは不明である。 近年、多様な生命現象にタンパク質の液-液相分離が重要な役割をもつことが分かってきた。本研究では「液-液相分離」という新たな観点からSryの性決定メカニズムの解明に挑む。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ほ乳類のY染色体には性決定遺伝子Sryが存在する。Sryは生殖線の精巣分化を促し、個体が雄になることを決定するマスター転写因子である。種の保存という観点からSryは最も重要な転写因子のひとつである。しかし、1991年にSryが発見されてから約30年が経つにも関わらず、Sryが標的遺伝子を活性化する際の転写メカニズムは不明である。 近年、多様な生命現象にタンパク質の液-液相分離 (以下「相分離」)が重要な役割をもつことが分かってきた。転写においては、DNA配列を認識する転写因子, 核内RNA結合タンパク質やRNAポリメラーゼなど様々なタンパク質が天然変性領域を介して相分離を誘導し、形成された液滴が化学的反応を促進する区画として機能することが明らかとなってきた。 本研究では「液-液相分離」という新たな観点からSryの性決定メカニズムの解明を目指している。 本年度は、マウスの胎生11.5日 (性決定期) の生殖腺で特異的に高発現するクロマチン因子の中から、293T細胞への過剰発現により相分離を起こす遺伝子をスクリーニングした結果、複数の候補遺伝子を絞り込んだ。これらの遺伝子について、各々の遺伝子欠損マウスをゲノム編集により作製しF0世代での解析を行った。胎生13日目の生殖腺をSox9 (雄マーカー)/Foxl2 (雌マーカー)に対する抗体で二重免疫染色し、雌雄の度合いを定量した。その結果、ホモ欠損により性転換が引き起これる可能性のある遺伝子を一つ見いだした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生殖腺に高発現し液相分離能をもつ新規の遺伝子を複数個見いだした。このうち一つについては遺伝子欠損マウスが性転換を起こすことを示すデータを得たことから、計画は順調に進展していると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは上述の新規遺伝子が生殖腺においても相分離を起こすことを確認する。この遺伝子の開始コドンにmCherryを挿入した蛍光レポーターノックインマウスを作製し、この生殖腺で形成される液滴をin vivoでリアルタイムに可視化する。タイムラプスイメージングと光褪色後蛍光回復法による動態解析を行い、液滴が相分離現象によって形成されることを検証する。 並行して、この遺伝子欠損マウスを用いて生殖腺のRNA-seq解析とSry強制発現による性転換のレスキュー実験を実施し、性決定シグナル経路への作用点を明らかにする。
|