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細胞集団の時空間的自己組織化に関する合成生物学的研究

Research Project

Project/Area Number 23K18144
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 44:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
Research InstitutionNational Institutes of Natural Sciences

Principal Investigator

藤田 浩徳  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), アストロバイオロジーセンター, 助教 (10552979)

Project Period (FY) 2023-06-30 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Keywords走化性 / 多細胞化 / 自己組織化 / パターン形成 / 合成生物学
Outline of Research at the Start

単細胞生物は地球創生から10億年で誕生したのに対し、多細胞生物の進化にはさらに20億年以上の時間を要している。このことは多細胞化がいかに困難な過程であったかを物語っているが、その一方で、多細胞生物がどのように創発・進化したのかは未だに大きな謎のままである。分子生物学のモデル生物である単細胞バクテリア・大腸菌は、培養条件を調節することにより周期的コロニーパターンが自己組織化される。本研究では、この集団的秩序形成に対して合成生物学的な実験系を確立・展開させることにより、細胞集団の時空間的自己組織化・多細胞化の創発・形成機構を明らかにすることを目的としている。

Outline of Annual Research Achievements

大腸菌株RP437は、Asp(アスパラギン酸)への走化性により、定常的な周期的コロニーパターンを自己組織化することが知られている。この知見を基盤として、研究代表者はこれまでに、Asp合成欠損株にAsp合成遺伝子の発現誘導プラスミドを導入することにより、一定の大きさの細胞集団(コロニー)が培地上を移動する現象(“移動コロニー”)を見出した。この現象は、バクテリアでは同様の報告がない新規の現象であり、単細胞生物から多細胞生物への進化のユニークなモデル系となると考えられる。
しかしながら、当初の実験目的とは異なっていたため、用いた実験系は非常に複雑であった(①5重変異体大腸菌に、②自己制御的な誘導プロモーターを用いて、③gfpおよびssrA(不安定化モチーフ)を融合したAsp合成遺伝子を誘導)。そこで、より単純な実験系において同様の表現型が再現できるかの検証を行った。その結果、①2重変異体に、②単純なアラビノース誘導プロモーターで、③インタクトのaspCを誘導、の非常に単純な系において表現型の再現が確認された。このことは、“移動コロニー”は走化性により誘導される現象として高い普遍性を持っていることを示唆している。しかしながら、系が単純になるにつれて移動行動も単純になる傾向が観察されるので、系の複雑性は行動の複雑性に影響していると思われる。
さらに、この現象の普遍性を検証するために、野生株においても誘導できる培養条件の検討を行った。検討した多くの培養条件において効果は認められなかったが、“移動コロニー”を誘導する可能性のある培養条件が確認できたことから、今後その詳細の検証を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

大腸菌において、Asp合成遺伝子誘導系を構築し、それが新規現象の“移動コロニー”表現型を誘導することを見出した。また、その表現型が非常に単純な誘導実験系でも再現され、さらには野生株においても誘導可能な培養条件を確認した。これらにより、“移動コロニー”表現型が走化性誘導の現象として普遍性が高いことを明らかにし、その形成機構解明の基盤が整った。

Strategy for Future Research Activity

野生株において、“移動コロニー”表現型を誘導する培養条件が確認されたことから、その詳細な効果を検証し、この表現型の普遍性を明らかにしていく予定である。また、これまでは主にスポット植菌によるパターン形成を検証してきたが、それとは異なる一様植菌による影響も検証する計画である。
さらに、パターン形成機構の理解において、数理モデル解析は強力な研究手法の一つである。そこで、今回見出した新規現象“移動コロニー”が数理モデルにより説明できるかを、先行研究を参考にしつつ検討する予定である。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2023 Other

All Presentation (2 results) Remarks (2 results)

  • [Presentation] 大腸菌細胞集団における走化性誘導の自己組織的パターン形成2023

    • Author(s)
      藤田浩徳
    • Organizer
      日本生物物理学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 走化性による大腸菌の自己組織的コロニーパターン形成2023

    • Author(s)
      藤田浩徳
    • Organizer
      日本発生生物学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Remarks] 自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター 宇宙生命探査プロジェクト室 藤田グループ

    • URL

      https://www.nibb.ac.jp/sections/concurrent/abc3/

    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Remarks] 植物数理モデリング

    • URL

      https://sites.google.com/nibb.ac.jp/yamaneko/

    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-07-04   Modified: 2024-12-25  

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