病原細菌と腸内常在菌を制御する神経回路の固有特性と受ける制御
Project/Area Number |
23K18172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 47:Pharmaceutical sciences and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉田 祥一朗 東北大学, 薬学研究科, 教授 (90221944)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 神経系 / 腸管免疫 / 病原細菌 / 腸内常在菌 / ショウジョウバエ |
Outline of Research at the Start |
「病は気から」と言われるように、神経系と免疫系との密接な繋がりは、以前より推察されてきた。現に100年ほど前、昆虫を用いて神経系が免疫系に影響を与えていることが示されている。しかしその後、神経系による免疫制御に関する研究は、それらが比較的単純な昆虫においてもほとんど進展がない。これまでに、ショウジョウバエを用いて、病原細菌と腸内常在菌に対する抵抗性を制御する神経細胞群を初めて同定した。それらの細胞群には、共通した機能を果たす中心的な神経細胞と、それぞれ固有の機能を果たしている神経細胞があることが示唆されている。本研究では、これらの役割分担している神経細胞の固有特性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
「病は気から」と言われるように、神経系と免疫系の密接な繋がりは、以前より推察されてきた。現に100年ほど前、昆虫を用いて神経系が免疫系に影響を与えていることが示されている(Metalnikov, S. 1924)。しかしその後、神経系による免疫制御に関する研究は、複雑な神経系と免疫系を有する哺乳動物はおろか、それらが比較的単純な昆虫においてですら,ほとんど進展がなく、未解明のまま残されている。これまでに、感染した病原細菌に対する感染抵抗性と、常在する腸内細菌に対する抵抗性を制御する神経細胞を同定している(J. Exp. Biol. 2016)。そして、それらの細胞群には、共通した機能を果たす中心的な神経細胞と、それぞれ固有の機能を果たしている神経細胞があることが示唆されている。本研究では、これらの役割分担している神経細胞の固有特性を明らかにする事を目的にしている。 そこで今年度は、これらの役割分担している神経細胞の固有特性を明らかにするために、これまで同定した49171系統、48289系統、47023系統でGAL4を発現させるために使用されているエンハンサーを用いて、それぞれ、LexA系統、split-GAL4系統、GAL80系統を作成した。現在、これらの系統を用いて、NP3253系統、49171系統、48289系統、47023系統で同定した神経細胞群同士の神経回路の状況と、機能的な連関を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、これまで同定した49171系統、48289系統、47023系統でGAL4を発現させるために使用されているエンハンサーを用いて、それぞれ、LexA系統、split-GAL4系統、GAL80系統を作成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した49171系統、48289系統、47023系統で使用されているエンハンサーを用いた、LexA系統、split-GAL4系統、GAL80系統を用いて、NP3253系統、49171系統、48289系統、47023系統で同定した神経細胞群同士の神経回路の状況と、機能的な連関を調べる。加えて、病原細菌と腸内常在菌に対する抵抗性を制御する神経細胞群において、共通した機能を果たす中心的な神経細胞と、固有の機能を果たしている神経細胞での遺伝子発現状況を網羅的に調べる。このように脳内にごく少数しか存在しない神経細胞の遺伝子発現状況を明らかにすることは容易ではない。そのためすでに、組織全体から特定の細胞の遺伝子発現を高感度に検出するTaDa(Targeted DNA adenine methytransferase identification, Marshall et al. 2016)法を導入している。大腸菌のDNAメチル化酵素を付加したRNAポリメラーゼⅡを、特定の神経細胞でのみ発現し、その細胞で転写されているゲノム領域をメチル化する。そのメチル化された領域を同定することで、神経細胞特異的な遺伝子発現状況を網羅的に知ることができる。各神経細胞で特異的に発現する遺伝子については、RNAiによってその発現を抑制し、機能的な解析を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)