Project/Area Number |
23K18221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 49:Pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
黒柳 秀人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30323702)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 拡張型心筋症 / mRNA前駆体 / 選択的スプライシング / ノックインマウス / 長リード次世代シーケンサー / RNA結合タンパク質 / SGLT2阻害剤 |
Outline of Research at the Start |
特発性拡張型心筋症(DCM)は、心筋収縮不全と心室内腔の拡張を特徴とし、根本的治療が心移植しかない難病である。実臨床では慢性心不全に対するSGLT2阻害薬の投与が始まっているが、その心保護作用の機序は不明である。 本研究では、代表者が開発した、心房細動を併発するDCMの病態をよく再現する遺伝子改変DCMモデルマウスを利用し、関連する分子の同定とその遺伝子改変動物作製による機能の検証、およびモデルマウスに対する各種SGLT2阻害薬の効果の比較検証により、RBM20変異DCMの病態発現機構を解明すると共に、慢性心不全の新たな創薬標的分子を探索することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
変異型RBM20に結合するRNAとタンパク質の網羅的同定について。自前で作製した抗RBM20抗体を用いた心筋の内在性RBM20の免疫沈降を行い、野生型マウス、変異型マウスをノックアウトマウスと比較する実験を計画している。未固定の内在性RBM20を免疫沈降する条件は確立でき、共沈するタンパク質の質量分析による同定を数回実施した。現在は、同定されたタンパク質が遺伝子型特異的に共沈するものか、確認の実験を行っている。共沈するRNAを調べる実験については、引き続き条件検討を行っている。近接標識により共存するタンパク質やRNAを架橋してから免疫共沈する実験についても、切片作製方法や標識方法の条件検討を行っている。 液-液相分離凝集体を形成しないと思われる家族性変異を模した新たな変異型マウスについて、表現型の観察や心機能の観察を行っているが、これまでのところS637Aマウスとは異なっている。Ttn遺伝子のスプライシングへの影響については、一定の影響がみられるものの、S637A変異マウスやノックアウトマウスと比して重篤ではない。長リード次世代シーケンサーを用いて、より正確なスプライシングへの影響を解析中である。これらの結果について、論文を執筆している。 各種変異マウスやそれらを交配したマウス、また、薬剤を投与したマウスにおける心機能の評価を行うために、琉球大学医学部附属動物実験施設に導入された小動物用超音波画像診断装置を用いて条件検討を行った。今後は、野生型マウスと変異型マウスの比較を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SGLT2阻害薬をS637Aマウスに投与して効果を見る実験を計画していたが、まだ実施に至っていない。投与方法の検討を行うための人員の不足が大きな原因である。この点については当初計画よりも遅れている。 他の計画については概ね予定どおりであるが、その実験結果については必ずしも当初期待していたように疾患モデルマウスの病態発現機構の解明に直接結びつくものではなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
変異型RBM20と共存するタンパク質分子の同定については、引き続き実験を進めていく。質量分析によるタンパク質同定には一定の経験を得たので、近接標識法についても条件検討を進めて、新たな知見を得られるようにしたい。 Ttn遺伝子の選択的スプライシングへの影響について、長リード次世代シーケンサーを導入して、野生型とS637Aマウスの差を検出している。これまでの予備的な解析で、これまで差はないと考えていたこれらのマウスに一定の差がみられることが判り、それが表現型の差異につながる可能性があるかどうかも含めて、今後も検討する。 動物実験を進めるために、研究に興味を持つ学部学生の協力も求めるなど、具体的な対策を進める。
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