Project/Area Number |
23K18226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 49:Pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中邨 智之 関西医科大学, 医学部, 教授 (20362527)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 弾性線維 / 再生 |
Outline of Research at the Start |
加齢に伴う皮膚のたるみ、肺気腫、動脈中膜硬化などは「組織の伸縮性喪失」によっておこるものであり、伸縮性を担う細胞外マトリックスである弾性線維の劣化・分解が直接原因である。しかし弾性線維のターンオーバーは極めて遅く、これまでに弾性線維を再生させるような方法は知られていない。本研究は、薬物による弾性線維形成を目指して、その標的分子を見いだそうとする挑戦的な試みである。
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Outline of Annual Research Achievements |
加齢に伴って体中の組織の伸縮性が失われることにより、皮膚のたるみだけでなく、動脈中膜硬化や肺気腫などの重要な老化関連疾患がひきおこされる。これらは弾性線維という伸縮性をもつ細胞外マトリックスの分解・劣化が直接原因であるため、弾性線維の分解・劣化予防と再生は高齢化社会における重要な課題である。一般に弾性線維のターンオーバーは極めて遅く、特に加齢組織では弾性線維の再生はおこらない。本研究では、オリジナルの弾性線維形成評価系とsiRNAライブラリーによるスクリーニングを用いて、発現抑制が弾性線維形成に影響する遺伝子を網羅的に検索・同定し、その遺伝子産物(タンパク質)の機能を明らかにすることを目的とする。特に発現抑制が弾性線維形成を促進するタンパク質は弾性線維再生のための標的分子となることが期待できる。 まずヒト皮膚線維芽細胞で効率よくsiRNAによる遺伝子ノックダウンができることを確認し、また96穴プレートで弾性線維を形成する条件、抗エラスチン抗体により蛍光免疫染色で弾性線維形成を検出する条件を決定した。その後、1万遺伝子強の"Druggable Genome"に対するsiRNAライブラリー(遺伝子あたり3種類のsiRNA)を用いてスクリーニングを完了した。蛍光量および目視で弾性線維形成に変化があったウェル、特に弾性線維形成が増えたウェルを選び出した。意外にも遺伝子ノックダウンにより弾性形成が増える標的分子候補は数多く見つかったため、現在オフターゲット効果の除外を含め検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずヒト皮膚線維芽細胞で効率よくsiRNAによる遺伝子ノックダウンができることを確認し、また96穴プレートで弾性線維を形成する条件、抗エラスチン抗体により蛍光免疫染色で弾性線維形成を検出する条件を決定した。その後、1万遺伝子強の"Druggable Genome"に対するsiRNAライブラリー(遺伝子あたり3種類のsiRNA)を用いてスクリーニングを完了した。蛍光量および目視で弾性線維形成に変化があったウェル、特に弾性線維形成が増えたウェルを選び出した。意外にも遺伝子ノックダウンにより弾性形成が増える標的分子候補は数多く見つかったため、現在オフターゲット効果の除外を含め検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
siRNAによる遺伝子ノックダウン実験ではオフターゲット効果は避けられない。 (1)複数のsiRNAにより同様の効果を認める遺伝子を選ぶ、(2)レンチウイルスによるcDNAの過剰発現を行ったときに遺伝子ノックダウンの効果がキャンセルされるかどうかを検証する(レスキュー実験)、などの方法によりより確からしい標的分子候補を絞り込む。標的分子候補が酵素や転写因子の場合は阻害薬、受容体の場合は遮断薬を検索し、これらが入手できる場合はその薬物の弾性線維形成に対する効果を調べる。またノックアウトマウスあるいは過剰発現マウスを作製し、生体内における弾性線維の形成を調べる。
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