Project/Area Number |
23K18257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 51:Brain sciences and related fields
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00305525)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | うま味 / 攻撃性 / 迷走神経 / 延髄孤束核 / 扁桃体中心核 / 腸脳相関 / c-Fos / resident intruder test / 腸脳連関 / 扁桃体 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「発育期早期の腹部迷走神経を介した感覚刺激入力が、どのように情動形成に影響するのか?」の疑問に対し、腸脳相関の脳内メカニズムの解明という視点から取り組む。 具体的には延髄孤束核から扁桃体への投射に注目し、1)ウィルス二重感染法による選択神経遮断や、2)多点電極プローブを用いた同期的神経発火の解析から、発育期の腸-脳連関による情動形成の脳内メカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「発育期早期の腹部迷走神経を介した感覚刺激入力が、どのように情動形成に影響するのか?」の疑問に対し、腸脳相関の脳内メカニズムの解明という視点から取り組んでいる。具体的には延髄孤束核(NTS)から扁桃体(AMY)への投射に注目し、1)ウイルス二重感染法によるNTS-AMY経路の選択神経遮断や、2)多点電極プローブを用いたNTSおよびAMY同期的神経発火の解析から、発育期の腸-脳連関による情動形成の脳内メカニズムを明らかにすることを目的としている。 R5年度は、上記目的の達成に向けた今後の円滑な実験遂行を考慮し、これまで用いてきたsocial-interaction testと比べより安定した行動評価法の確立に注力した。その結果、生後25日から生後60日の5週間うま味物質(グルタミン酸ナトリウム:MSG)を経口投与した動物の主観的夜にresident -intruder testを実施すると、安定した攻撃性評価が可能であることが明らかになった。すなわち、異なる行動評価系からの再現性が担保されることに加えより効率的な評価系が得られた。 またc-Fos染色を用いたラット系統差比較などから攻撃性に関連する脳部位として前頭内側皮質(PFC)、視床下部外側核、扁桃体中心核(CeA)が明らかになった。さらに発育期のMSG経口摂取による攻撃性減少に、延髄孤束核中間外側部(iNTS)におけるc-Fos陽性細胞の増加およびCeAでの減少が関係していることが明らかになった。このことは腹部迷走神経の切除によるc-Fos陽性細胞のiNTSでの増加やCeAの減少からも確証された。 これら結果は、Frontiers of Nutritionに2024年5月に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生後に形成される情動における発育期早期の腹部迷走神経を介した腸脳連関の重要性を、異なる行動評価法からも再現性を示し、さらに攻撃性減少において延髄孤束核-扁桃体中心核路の重要性にR5年度に注力し、細菌になり論文で報告した。 しかし『発育期早期の腹部迷走神経を介した感覚刺激入力が、どのように情動形成に影響するのか?』をより詳細にすることを目的とする本研究では、「多点電極プローブを用いたNTSおよびAMY同期的神経発火の解析」が必要と考えられる、この点を実施することになっている。この実験に対する取り組みに関して進んでいないため、当初の目的からやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
うま味物質のMSGは、消化管内分泌細胞のうま味受容体で受容され、その情報は胃十二指腸由来の迷走神経を介し、延髄の孤束核中間外側部(iNTS)に投射される。最近我々は扁桃体中心核(CeA)がMSGによる攻撃性減少に関与することを明らかにした。しかし、攻撃性行動とiNTS-CeA路との神経結合の因果関係は明らかになっていない。 この点を明らかにするため、1)ウイルス二重感染法によりiNTS-CeA路の選択的神経遮断により、MSG摂取による情動行動の変化(攻撃性減少)とiNTS-CeA路との因果関係を証明する。さらに、2)多点電極プローブを用いた電気生理学的解析から、iNTS刺激時のCeAの神経応答を検討し、上記1の因果関係を傍証していきたい。 可能であれば、3)iNTSおよびCeAから同時計測し、iNTS-CeA路の同期的発火を解析することから、MSG摂取による攻撃性減少との関連性を詳細に解析したい。 本研究の遂行により、腸脳連関による攻撃性減少における特定神経回路(iNTS-CeA)の関与が明らかになると予想される。しかしその他の内側前頭野-扁桃体路や視床下部外側核―扁桃体路の関与も念頭に入れ、解析を進めていく。
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