ジストロフィノパチーの病態にチアミン利用障害が関与しているか?
Project/Area Number |
23K18269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 52:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Tokushima National Hospital |
Principal Investigator |
黒田 由紀子 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, 研究員(移行) (70398014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三ツ井 貴夫 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (80294726)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | Duchenne型筋ジストロフィー症(DMD) / チアミン |
Outline of Research at the Start |
Duchenne型筋ジストロフィー症(DMD)はジストロフィンの欠損により、筋線維の変性が進行する。チアミンは生体に不可欠なビタミンであり、THTR 1/2により細胞内へ輸送された後、ピルビン酸脱水素酵素(PDH)の補酵素として機能する。本研究では、「ジストロフィンと結合することで筋細胞膜に局在するTHTR1/2は、DMD筋では細胞内で分解される。その結果、DMD筋ではチアミンの筋細胞内への取り込みと運搬が障害され、チアミンがco-factorとして機能する酵素活性が障害されるか」についてDMDの病態におけるチアミンの細胞内移行障害の意義を様々な側面から検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
Duchenne型筋ジストロフィー症(DMD)はジストロフィンの欠損により、筋線維の変性が進行する。チアミンは生体に不可欠なビタミンであり、THTR 1/2により細胞内へ輸送された後、ピルビン酸脱水素酵素(PDH)の補酵素として機能する。我々は、チアミンの細胞内移行の障害が示唆されたDMD4症例を経験した。予備的検討により、①ジストロフィンはTHTR1/2と結合している、②DMD筋ではチアミンの細胞質の発現が減少し、THTR1/2の発現は著減している、③DMD患者およびモデルマウス骨格筋でPDH活性が低下している、ことを見出したことから、我々は以下の仮説を立てた:「ジストロフィンと結合することで筋細胞膜に局在するTHTR1/2は、DMD筋では細胞内で分解される。その結果、DMD筋ではチアミンの筋細胞内への取り込みと運搬が障害され、チアミンがco-factorとして機能する酵素活性が障害される」。本研究ではこの仮説を証明するとともに、DMDの病態におけるチアミンの細胞内移行障害の意義を様々な側面から検討する。本研究はジストロフィノパチーの新たな病態解明につながることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、我々はDMDモデル培養細胞の樹立を計画した。当初、横紋筋肉腫由来の細胞株であるRD細胞においてゲノム編集によるDystrophin遺伝子ノックアウト(セツロテックに依頼)を試みるも残念ながら細胞株樹立に至らなかった。そこでMRC CNMD Biobank London (UK)に依頼して、DMD患者生検筋より樹立した不死化DMD細胞および健常コントロール細胞の供与を受け、進めていたがなかなかうまくいかず新たにInstitute of Myology (France)に依頼し供与を受けた。抗ジストロフィン抗体で免疫染色を行い発現を確認したところ、健常とDMD患者細胞において差が認められ、この細胞を用いて実験系を進めることが可能となった。 次に同細胞のチアミン、THTR1/2およびSLC25A19の細胞内発現を検討する予定であり概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
①DMD細胞の機能解析 DMD細胞のチアミン、THTR1/2およびSLC25A19の細胞内発現を検討する。我々はDMD筋におけるTHTR1/2の発現の減少がイムノブロットでも確認された場合には、mRNAレベルおよびプロモーターレベルの発現をRT-PCRおよびルシフェラーゼアッセイでそれぞれ測定する。また、チアミンはPDH以外にα- ケトグルタル酸脱水素酵素(α-KGDH)、分岐鎖ケト酸脱水素酵素(BCKDH)およびトランスケトラーゼの補酵素であることから、本研究ではPDHを含む4酵素の活性を測定する。 ②DMD細胞内へのチアミン移行性 上記不死化細胞を用い、チアミンを添加した時の細胞内チアミン、THTR1/2およびSLC25A19の発現を観察しコントロール細胞と比較することで、ジストロフィンの欠損でTHTR1/2の発現低下に伴うチアミンの細胞内移行障害が認められるか否かを明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)