Project/Area Number |
23K18278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 52:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
水口 剛 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90404996)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | Low copy repeats / ソトス症候群 / ロングリードシーケンス / DNAメチル化 / ゲノム高次構造 |
Outline of Research at the Start |
ソトス症候群の一部はLow copy repeats (LCRs)を介したNSD1遺伝子領域の欠失により引き起こされる。欠失の発生に影響を及ぼす因子としてLCRsのサイズ、相同性、LCRs間の距離(ゲノム1次配列情報)が知られている。ゲノム1次配列情報以外の修飾因子の存在も示唆されているが詳細は不明である。一方、ゲノム技術の進歩により、これまで解析が困難であったリピート領域の高精度なゲノム・エピゲノム解析が可能となってきた。そこで本課題では新規ゲノム解析技術を駆使してソトス症候群LCRsの特徴を明らかにし組換えホットスポットの分子機構の解析基盤を提供する事を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ソトス症候群におけるLow copy repeats (LCRs)を介したNSD1遺伝子領域の欠失の多くは父由来染色体から発生する事が報告されているが、この親由来の偏りの分子基盤は不明である。「父の染色体において欠失の誘因となる特徴的なゲノム構造、メチル化異常、ゲノム高次構造が存在するか」という仮説を検証するため下記の研究項目を実施した。 (1) 相決定:患者・両親(トリオ)由来のゲノムDNAを用いてロングリードシーケンスを実施した。Hiphaseを用いた相決定を行った(phase blockの平均240kb, Max 3.4Mb)。またread depthを用いたCNV解析により、これまでロングリードのStructural Variant解析で検出できなかった1Mbを超えるサイズのNSD1遺伝子を含む5q35領域の欠失を検出し父親由来の欠失を塩基レベルで確認することに成功した。 (2) LCRsの区別:平均リード長が10kbを超えるロングリードシーケンスを用いてもLCRs領域の解析は困難を極める。Monarch HMW DNA Extraction Kitにより抽出した高分子量ゲノムDNAをinputとしてultra-long DNAシークエンス (ONT PromethION)を実施した。通常のプロトコールに比較して長いリード長を達成したが[リード長 平均42 kb, Max 822 kb (ultra-long) vs 平均15 Kb, Max411 kb (通常解析の平均)]、一方で出力が通常の1/3以下に減少した[30 Gb (ultra-long) vs 104 Gb (通常解析の平均)] 。 (3) DNAメチル化:(1)(2)で得られたデータについてJasmine, Guppyを使用したメチル化検出を行い、2本の染色体を区別したDNAメチル化解析が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、ソトス症候群の5q35領域欠失症例についてトリオベース(患者・両親)でロングリードシーケンスを行い、相決定・DNAメチル化・LCRs領域解析のワークフローを確立できた。この解析により、これまで塩基レベルで解析が困難とされたLCRs領域を含む5q35領域についてハプロタイプを区別したゲノム・DNAメチル化解析が可能であることが確認できた。当初LCRs領域を十分に長いリード長で解析するために、ultra-long DNAシークエンスが必要ではないかと考えていたが、高分子量DNAのハンドリングが容易ではなく、再現性をもって解析に十分な出力(30×カバレッジ)得ることが難しいことが分かった。更にultra-long DNAシークエンスと通常プロトコールの解析結果を比較したところ、5q35領域(LCRs含む)の解析には通常プロトコールで十分であることが明らかにできた。一方で検証に時間がかかったため、想定解析数を下回っている。
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Strategy for Future Research Activity |
健康な両親を含めたトリオ検体のDNAと細胞株の樹立を継続し、トリオベースのロングリードシークエンスを行う。5q35領域(LCRs含む)の解析には通常プロトコールで十分であることがわかったので、ultra-long DNAシークエンスではなく通常プロトコールを採用することにする。得られたデータについて1年目に構築した解析系を用いてゲノム構造・DNAメチル化の差異を検討する。また2年目以降に計画していたゲノム高次構造解析系についても構築を試みる。
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