GMN癌細胞の生存戦略とゲノム変異の多様性に基づく再燃・転移の治療開発
Project/Area Number |
23K18307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 55:Surgery of the organs maintaining homeostasis and related fields
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
田中 正光 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20291396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 正 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (30398226)
伊藤 剛 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (60607563)
佐々木 一樹 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 研究員(移行) (80260313)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | GMN / 巨多核癌細胞 / GMN癌細胞 / 細胞分裂 / がん間質細胞 / ゲノム異常 |
Outline of Research at the Start |
巨核または多核の癌細胞(GMN癌細胞)は、自然発生的に様々な癌に見られる組織型として、また放射線や化学療法により出現する。しかしこれらの異様な形態の癌細胞は、増えずに消滅するか通常形態の癌細胞に戻るだろうと思われてきた。 一方、GMN癌細胞は分裂異常によりゲノム変異の増大を伴う、多様な娘細胞を生む事を再現する実験モデルを作成した。それらは再燃腫瘍を形成し、転移クローンも出現する。GMN腫瘍のゲノム変異を部位別に明らかにする事で、転移クローンの発生を予測し、治療標的を選定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
巨大または多数の核を持つ、originの組織から逸脱した奇妙な形の巨/多核癌細胞(Giant and/or Multi Nucleated):GMN腫瘍は自然発生のものと放射線/化療後のものが存在する。前者は多形細胞癌などに分類され、膵癌や肺癌に多い高悪性度群である。GMN腫瘍は休眠的(dormant)に経過する場合もあるが、Progeny(子孫細胞)が再燃腫瘍を形成し転移もする。GMNは不等分裂により、外見上GMN型と単核細胞が混在する多様なProgenyを生む事を培養実験で観察した。これらはいずれもゲノム変異が蓄積した癌細胞で、悪性度が高まっている。新たに細胞分裂の視点からGMN癌細胞の生存・産生の機構を考え、再燃/転移の治療標的分子を抽出することを目的としている。特にGMNとProgenyでゲノム変異が多い事は、ネオアンチゲンの形成も多い可能性を示すため、免疫療法の有効な治療標的となるGMN抗原の同定を目指した検討を行った。初年度はノコダゾール処理等を利用して、GMNを高率に引き起こす膵癌細胞モデルを作成した。それらの親細胞株とGMN化癌細胞を用いて、全エクソンシークエンス(WES)およびmRNAシークエンスのデータを取得した。またネオアンチゲンを考慮して、HLAに提示された抗原を免疫沈降で収集してペプチド質量分析を行う検討を開始した。今後それらの結果を照合して標的抗原の抽出を進めてゆく。また、上記GMN化膵癌細胞によるマウス腫瘍組織の特性として癌関連線維芽細胞(CAF)の産生が強く見られたため、その分子特性の解析を進めると共に、親株癌細胞のGMN化への関与について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際のヒト腫瘍でもGMNの頻度が比較的高い膵癌細胞において、GMNモデルが作成でき、そのツールを用いてゲノムとmRNAのデータベースの作成まで完成し、今後の分子抽出の基盤が得られた。また蛋白質・ペプチドの解析が進行中で、それらの総合比較へ移行してゆける状態になりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
GMN膵癌細胞からのHLA結合抗原の同定を引き続き進め、すでに取得した全エクソンシークエンスおよびmRNAシークエンスの結果と照合して、GMN癌細胞に特有なゲノム変異に基づく癌抗原の選別を行ってゆく。最終的にはヒト病理標本において、その出現頻度を調べ有用性を検証したい。またGMN癌細胞の成り立ち、特に間質細胞によるGMNの形成や維持についての検討を行い、GMN癌に特徴的な間質微小環境の解明を進める。作成した膵癌GMN細胞の中で、マウスへの移植において腫瘍内に豊富な線維芽細胞を誘導するものを確認している。その腫瘍内線維芽細胞と、親株癌細胞による腫瘍の線維芽細胞をシングルセル、またはバルクのmRNAシークエンスで比較検討する。抽出分子群の中から特に細胞外因子に着目して、親株およびそのGMN癌細胞株の細胞分裂、細胞移動に影響するものを培養実験で選別する。GMN型を産生する因子、またはその子孫細胞にGMN型を維持させる因子を同定してゆく。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Macrophage numbers in the marginal area of sarcomas predict clinical prognosis2023
Author(s)
Umakoshi Michinobu, Nakamura Akiko, Tsuchie Hiroyuki, Li Zhuo, Kudo-Asabe Yukitsugu, Miyabe Ken, Ito Yukinobu, Yoshida Makoto, Nagasawa Hiroyuki, Okada Kyoji, Nanjo Hiroshi, Maeda Daichi, Miyakoshi Naohisa, Tanaka Masamitsu, Goto Akiteru.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 13
Issue: 1
Pages: 1290-1290
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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