Project/Area Number |
23K18318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 55:Surgery of the organs maintaining homeostasis and related fields
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐田 尚宏 自治医科大学, 医学部, 教授 (20261977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
佐久間 康成 自治医科大学, 医学部, 教授 (10296105)
原尾 美智子 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10387805)
西野 宏 自治医科大学, 医学部, 教授 (50245057)
藤村 哲也 自治医科大学, 医学部, 教授 (50376448)
相澤 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
木村 有希 自治医科大学, 医学部, 助教 (30721609)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | がん診断 / 体液 / 質量分析 / 悪性度 / 癌患者 |
Outline of Research at the Start |
最近開発された探針エレクトロスプレーイオン化質量分析技術を用いて、様々ながん患者由来の少量の体液サンプル中のプロテオーム/メタボローム解析を施行し、健常人由来のものと比較検討し、がんの診断に応用できるかを検討する。また、これらの中から一定の抗癌剤治療を行った患者群を選択し、その治療経過と個々の癌患者から得られた分子情報を照合することによって、癌の悪性度、抗癌剤感受性と相関する因子を検討し、新規バイオマーカーを見出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
従来の生検組織を用いたがん診断は、被験者にとって苦痛とリスクを伴う一方、腫瘍組織の一部しか採取できないため、断片的な情報しか検出できない。一方、体液サンプルには腫瘍由来の様々な分子が含まれており、腫瘍のプロファイルを網羅的に俯瞰できるという特徴があり、治療薬の選択や奏効の判定などにも広く応用できる。そこで、本研究では最近開発された探針エレクトロスプレーイオン化PESI/MS/MS法を用いて様々ながん患者由来の体液サンプル中のオミクス(プロテオーム・メタボローム)解析を行い、得られたスペクトルから癌患者と非癌患者の識別に寄与するマーカーピークの抽出、判別モデルの作成を行う。また、これらの分子情報とそれぞれの癌患者の臨床病理学的因子・予後と比較検討することによって、がんの存在、悪性度、抗癌剤感受性などの臨床診断に有用な因子を同定することを目的とする。令和6年3月、学内倫理審査委員会による承認が得られ、現在、解析に用いる体液サンプルの採取を開始しているところである。現時点で、口腔内に発生する扁平上皮癌や唾液腺癌由来の唾液、乳癌患者の乳汁や細針での細胞診で得られるサンプル、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)や粘液産生膵腫瘍(MCN)患者の胆汁、膵液、尿路上皮癌、前立腺癌患者由来の尿、腹膜播種患者の腹水、腹腔内液をターゲットとして、対象患者由来のサンプルとともにまず各3例づつ採取し、MS/MS解析を行い、得られたスペクトルに対し単変量解析および多変量解析を行うことにより,癌患者と非癌患者の識別に寄与するマーカーピークの抽出を行い、量悪性を判別するモデルの作成を試みる。そのモデルを用いて癌の存在診断を行い、迅速病理及び永久病理診断と比較することにより質量分析法によるがん診断の正確性の評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採択が決定後すみやかに学内倫理審査委員会による審査に諮ったが、その手続きに時間を要し、実施許可が得られたのが令和6年3月になった。したがって、解析を行うための十分な数のサンプルが得られていない。質量分析を行う測定系は他の研究で動いており、質の高い試料が得られ次第解析を行うことが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔内に発生する扁平上皮癌や唾液腺癌由来の唾液、乳癌患者の乳汁や細針での細胞診で得られるサンプル、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)や粘液産生膵腫瘍(MCN)患者の胆汁、膵液、尿路上皮癌、前立腺癌患者由来の尿、腹膜播種患者の腹水、腹腔内液をターゲットとして、対象患者由来のサンプルとともにまず各3例づつ採取し、MS/MS解析を行い、得られたスペクトルに対し単変量解析および多変量解析を行うことにより,癌患者と非癌患者の識別に寄与するマーカーピークの抽出を行い、量悪性を判別するモデルの作成を試みる。そのモデルを用いて癌の存在診断を行い、迅速病理及び永久病理診断と比較することによりPESI-MSによる診断の正確性の評価を行う。次のステップとして、良好な成績が得られた癌腫に焦点を絞って、サンプル採取をすすめ、その臨床病理学的因子との関連性、化学療法に対する感受性や予後と関連する因子を抽出する。
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