肝細胞のp62/SQSTM1がNASH防御において果たす役割
Project/Area Number |
23K18321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 55:Surgery of the organs maintaining homeostasis and related fields
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有泉 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (40277158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 誠也 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (40897906)
徳重 克年 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60188729)
岡田 浩介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80757526)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (90241827)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | p62 / NASH / 脂肪酸代謝 / 肝癌 / 脂肪酸 |
Outline of Research at the Start |
p62は,その多彩な機能故にNASH進展における決定的な役割なお不明である.本研究はこの疑問を明らかにするために,p62遺伝子改変マウスに加え,メタボローム解析やRNAシークエンシングによる全遺伝子検索など,広範囲の解析から先入観なしに標的分子もしくは機能を絞り込む,探索的側面が強い研究である.本研究によってp62の真の機能が明らかになるとき,新たなNASH発症進展機構も判明することが期待され,それはp62を賦活・維持する新しい創薬の可能性につながる.それが,本研究の挑戦的研究としての意義である.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,野生型マウス(WT),全身p62遺伝子欠失マウス(p62-KO)に加え,p62が肝細胞でのみ特異的に欠失する肝細胞特異的p62欠失マウス(p62-hcKO),更に,p62が肝細胞にのみ特異的に発現する(レスキューされる)肝細胞特異的p62レスキューマウス(p62-hres)に,60%高脂肪食を32週間摂餌させ,NASH重症度を比較解析した.WTと比較して,p62-hcKOとp62-KOでは高度の炎症線維化を伴う重症NASHへ進展したが,p62-hresでは,これらの肝炎症,肝線維化が抑制され,NASHの進行が軽減していた.また,肝組織の脂質プロファイルを解析したところ,中性脂肪,脂肪酸の含有量は各群で有意な差は認められなかったものの,C16:0(パルミチン酸)とC18:1n9(オレイン酸;OL)の含有量が,p62-hcKOとp62-KOでは有意に高値であり,p62が脂肪酸の分画に影響を与える可能性が示唆された. p62をノックアウトした培養肝細胞を用いた解析では,OLの暴露によって,p62-KOは野生型(WT)と比較して,経時的な中性脂肪の蓄積が有意であり,中性脂肪が蓄積し易い状況にあると考えられた.また,OLの暴露によってWTと比較してp62-KOではautophagyに関わるLC3の基礎発現が増加し,しかもOLの暴露によるLC3発現の増加が顕著であり,p62の欠失によりautophagyの障害が惹起されている可能性が示唆された. ヒト肝臓標本では,p62は基本的には細胞質に一様に染色されたが,斑状発現や顆粒状発現など,様々な発現様式が認められた.一方,p62が核に濃染している症例はごくわずかに限られていた.p62の発現が低い症例では,肝炎症および肝線維化の高度な症例が有意に多く,p62の免疫組織学的な発現が,NASHの進行と関連していることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験については、遺伝子改変動物の繁殖供給は問題なく進捗し、動物に対する高脂肪食の摂餌が完了し、予定通り解析を開始している. 培養肝細胞(Hepa1-6)を用いた細胞実験についても、野生型およびp62ノックアウト細胞の樹立とオレイン酸の暴露の実験系を確立することに成功し、解析を進めている. ヒト臨床標本を用いた解析については、p62の免疫染色が完了した.一方、p62は予想よりも多彩な染色パターンを示したため、各染色様式について多方面からNASH病態との比較解析を進めている. 一方、肝癌部の解析については、免疫染色自体は問題なく完遂したものの、主評価項目のひとつである患者予後について、ハイボリュームセンターでの症例であるが故に逆紹介され予後調査が困難な症例が多いことが判明した.肝癌部については、悪性度やT因子などの評価によって癌の進行を評価する計画である.
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験については、肝組織のメタボローム解析やRNAシークエンシング解析により、更にp62が肝臓の脂肪酸代謝に果たす役割を広く解析し、絞り込みを行う.また、肝臓のミトコンドリア機能やβ酸化におけるp62の役割にも着目する. 細胞実験では、細胞の樹立とOL暴露の条件検討がほぼ終了したため、小胞体ストレスシグナルの解析に加え、細胞外フラックスアナライザーを用いたミトコンドリア機能を解析し、p62の役割を明らかにしていく. ヒト臨床標本を用いた解析では、p62に加え、LC3A、LC3B、multi-ubiquitinなどのautophagyに関わる因子の免疫染色を追加し、ヒトNASHおよび肝癌におけるp62とautophagy関連因子の関わりを詳細に解析する.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Macrophage specific restoration of the Nrf2 gene in whole-body knockout mice ameliorates steatohepatitis induced by lipopolysaccharide from Porphyromonas gingivalis through enhanced hepatic clearance.2023
Author(s)
K.Chihara, K.Okada, F.Uchida, I.Miura, S.Komine, E.Warabi, T.Takayama, H.Suzuki, T.Matsuzaka, N.Ishibashi-Kanno, K.Yamagata, T.Yanagawa, H.Bukawa, J.Shoda.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 18
Issue: 10
Pages: e0291880-e0291880
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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