遺伝子治療による新規軟骨再生法開発を目指した基盤の構築 ーiPS軟骨を利用してー
Project/Area Number |
23K18327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 56:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 晃弘 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00636855)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 骨・軟骨代謝学 / 再生医学 / 幹細胞 / 遺伝子改変 / 再生医療学 / 遺伝子治療 |
Outline of Research at the Start |
関節軟骨は円滑な関節運動を担っている。軟骨は過度の機械的ストレスなどや老化などにより摩耗すると、著しい運動機能障害を伴う変形性関節症(OA)が引き起こされる。高齢化社会を迎える本邦において、関節軟骨の再生・機能維持が切に望まれている。 これまで我々はiPS軟骨を作成し臨床応用を目指してきた。次なる課題は遺伝子治療による軟骨再生である。現在の最重要課題は軟骨局所でのゲノム編集とその輸送システム法の確立である。これを解決するにはin vitroにてヒト組織を用い導入方法を検討する必要がある。そこで本研究ではiPS軟骨を利用し、遺伝子治療による新規関節軟骨再生法の開発を目指した基盤作りを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
関節軟骨は関節部において骨端の表面に位置し、円滑な関節運動を担っている。軟骨は無血管組織であるため自己修復能が乏しい。そのため一度損傷すると元に戻ることが出来ない。過度の機械的ストレスや老化などにより軟骨が摩耗すると、運動機能障害を伴う変形性関節症(OA)が引き起こされる。高齢化社会を迎える本邦において、老後にも健康で豊かな暮らしを行う上で、関節軟骨の再生・機能維持が切に望まれている。これまで応募者らはリプログラミング技術を用いて新規軟骨再生法を開発してきた。次なる課題は遺伝子治療による軟骨再生法の開発である。一番の問題点は軟骨局所でのゲノム編集であり、その輸送システムである。このシステムを構築するにはin vitroにて導入方法を検討できるヒト組織が必要である。応募者らが開発したヒトiPS軟骨は発生を模倣し、かつ変性モデルも作製できるため、現状ほぼ正常なヒト組織での情報をもたらすことができる唯一の手法であると考えられる。そこで本研究ではヒトiPS軟骨を利用し、遺伝子治療による新規関節軟骨再生法の開発を目指した基盤作りを行う。 初年度である2023年度は細胞へのGFP導入効率の検討を行い以下の実験を行った。 1) iPS細胞へのGFP導入効率の検討 2) ヒトiPS軟骨へのGFP導入効率の検討
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の主たる目的は、遺伝子治療による新規関節軟骨再生法の開発を目指し、ヒトiPS軟骨を利用し軟骨組織への遺伝子導入方法を確立することである。初年度である2023年度は1) iPS細胞へのGFP導入効率の検討、2) ヒトiPS軟骨へのGFP導入効率の検討を行った。 1) iPS細胞へのGFP導入効率の検討:CRISPR/Cas9を用いてiPS細胞へのGFP導入および遺伝子のノックアウトへの導入効率を検討した。化合物による細胞周期を止める方法(Maurissen TL, & Woltjen K. Nat Commun. 2020)を用いることにより約70%の細胞へGFP導入および遺伝子のノックアウトすることが可能となった。 2) ヒトiPS軟骨へのGFP導入方法の検討:上述の化合物による細胞周期を止める方法を用いてエレクトロポレーションにてGFPの導入をおこなった。しかしヒトiPS軟骨組織への導入は表層のみであり深部までは困難であった。方法の改善が必要である。 以上の結果より、進捗はやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の主たる目的は、遺伝子治療による新規関節軟骨再生法の開発を目指し、ヒトiPS軟骨を利用し軟骨組織への遺伝子導入方法を確立することである。初年度である2023年度はin vitroでの導入効率の検討を行った。 iPS細胞への導入効率は化合物による細胞周期を止める方法を用いることにより改善したが、ヒトiPS軟骨組織へ導入はエレクトロポレーション法では困難であった。 今後の方針としてはアデノ随伴ウイルス(AAV)を使用を検討する。アデノ随伴ウイルス(AAV)にはセロタイプがあり、臓器毎に適したセロタイプの選択が必要である。まずは一般的に広く使用されているセロタイプ2を使用し、困難な場合は他のセロタイプを用いヒトiPS軟骨組織への導入方法の確立を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)