Regenerative Therapy with Nanomedicine Capable of Reversing Chronic Inflammation into Tissue Repair Environment
Project/Area Number |
23K18442
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
戸井田 力 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (40611554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 友則 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30415715)
土谷 享 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90722710)
福田 直志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10804156)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | ナノ医薬 / 老化 / 慢性炎症 / 組織修復 / 炎症老化 / サイトカイン / 炭酸アパタイト / 再生医療 / ナノメディシン / 免疫細胞 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、超高齢社会の社会的ニーズを背景に、高齢者に特有の慢性炎症を標的とする全く新しい視点から、組織修復能が低下した高齢者の再生治療の実現を目指します。慢性炎症の原因となる免疫細胞(マクロファージ)を標的として、組織修復に適した表現型にスイッチングするナノ医薬を開発し、その有用性を明らかにします。この炎症制御型ナノ医薬と従来の再生治療アプローチとを組み合わせることで、高齢者の組織修復効率の劇的な向上、リハビリ期間の短縮、例えば、骨折に伴う要介護、寝たきり、認知症の減少も見込まれ、臨床医学や社会への貢献が大きいと期待しています。
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Outline of Annual Research Achievements |
高齢者は組織修復能が低下しており、正常な修復を促す技術が必要であるが、高齢個体に対する再生治療技術の研究は国内外で限定的である。老化の典型的な特徴である『慢性炎症』は、組織幹細胞の機能低下を招き、高齢者の正常な組織修復を阻害する。マクロファージは慢性炎症と組織修復のスイッチングに関与する。もし、マクロファージ表現型を適切にスイッチングできれば、幹細胞の機能低下が解除され、高齢者の組織修復能の改善ができると考えた。本申請研究は、マクロファージ表現型スイッチングによる老化組織の再生治療技術の創生を目的とした。 研究開始当初、ホスファチジルセリンリポソーム(PSL)がマクロファージの表現型をスイッチングできることが分かっていた。2023年度は、PSLを材料表面に積層し徐放する技術を開発した。修飾材料はPSLの徐放により、M1型を減少しM2型を増加を促すとともに異物反応の抑制できることが分かり、この成果を論文公表した。同様の機序で、修飾材料は骨欠損の修復を促進した。細胞のRNA-seq.解析で、M1型マクロファージ分泌因子は骨芽細胞の分化マーカーの増加を抑制するとともに、炎症反応パスウェイ(特に、IL-6やType I IFN)が活性化されることが分かった。これに対して、M2型マクロファージ分泌因子は、骨芽細胞の分化マーカーや炎症反応の変動は限定的であった。この結果に一致して、M1型の分泌因子は、ALP活性化や骨様結節形成を完全に阻害したが、M2型では抑制効果は限定的であった。以上の実験結果をまとめた論文を近く投稿予定である。このように、若齢個体において、マクロファージ表現型の制御により組織修復の促進と異物反応抑制ができることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度内に実施予定であった高齢マウス由来のマクロファージの実験を行うことができなかった。高齢マウスの在庫不足のためである。次年度実施予定であった細胞・動物実験を前倒しして実施し、その一部は論文としてまとまりつつある。以上より、順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢マウスの実験を計画通り進める。細胞実験で使用する高齢マウスは2024年度4月には実施できる予定であり研究遂行に問題無い。当初、組織修復実験で高齢マウスとして80週齢以上のマウスを使用する予定であったが、必要に応じて細胞実験の結果を元に個体の週齢を小さくする(60週齢など)方策を取る。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)