Project/Area Number |
23K18456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
遠藤 昌吾 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60192514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿澤 昌 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40291059)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 小脳 / 加齢 / 認知機能 / CCAS |
Outline of Research at the Start |
従来、認知機能は主に大脳が担うと言う概念が支配的であり、小脳は運動学習のみを担うと考えられていた。しかし、近年、アルツハイマー病のヒトとモデルマウスにおいて、認知機能障害と小脳プルキンエ細胞数の減少や小脳失調症状との相関が示された。そこで、本研究では「運動は加齢に伴う小脳の機能低下の予防・軽減・改善を介して、認知機能低下を予防・改善する」という仮説の検証に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
海馬、扁桃体、前頭前野などを含む大脳が認知機能を担うとされてきた。しかし、小脳のみに障害を受けたヒトにおいても、ほとんど全てのケースで認知機能が障害され、CCAS(Cerebellar Cognitive Affective Syndrome; 小脳性認知情動症候群)として注目されている。 本課題では、認知機能を担う小脳に着目し、小脳神経回路機能低下と加齢に伴う運動学習能・認知機能等の低下との関係を明らかにする。運動によるこれらの機能低下の予防・改善について、そのメカニズムについて神経回路・細胞レベルから個体レベルで明らかにし、「運動は小脳神経回路機能の加齢に伴う 機能低下の予防・軽減・改善を介して、加齢に伴う認知機能低下を予防・改善する」という仮説の証明を目的とする。 本年度は、CCASモデル動物としてErk1/2ダブルノックアウトマウス(Erk1の全身欠損とErk2を小脳プルキンエ細胞特異的に欠損したマウス)の作出を行い、その特徴づけを行った。このマウスでは、ERK1の発現は見られず、また、プルキンエ細胞特異的にERK2を欠損していることを見出した。少数の個体を用いて組織化学的解析、電気生理学的解析及び行動解析を行った。Erk1/2ダブルノックアウトマウスの小脳の形態は正常であった。また、電気生理学的な解析により平行線維ープルキンエ細胞間の神経伝達も正常であった。さらに、四肢交差も見られなかった。一方、ダブルノックアウトマウスでは小脳依存性記憶を担う細胞機構である平行線維ープルキンエ細胞間の長期抑圧(LTD, long-term depression)の惹起が観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル動物として用いるErk1/2ダブルノックアウトマウスの作出が遅れ気味であるが、自然交配の代わりにIVFを用いてErk1/2ダブルノックアウトマウス作出に用いることで作出が軌道に乗りつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
Erk1/2ダブルノックアウトマウスを多数作出して、23年度の研究を継続し、さらに、眼球運動や四肢協調機能の解析、海馬依存性の記憶や高次認知機能(注意、情動など)を解析して、小脳が担う認知機能を明らかにする。
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