Project/Area Number |
23K18502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 62:Applied informatics and related fields
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 秀幸 東京医科歯科大学, M&Dデータ科学センター, 教授 (70826263)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 量子化学 / 人工知能 / 深層学習 / 創薬 |
Outline of Research at the Start |
創薬には今なお膨大な時間・労力・コストが必要である。我々は創薬を大きく加速させるため、標的タンパク質のアミノ酸配列のみから阻害剤を探索 できる人工知能LIGHTHOUSEを開発した。そしてゆくゆくは創薬AIをさらに発展させ、近年研究が進むペプチド医薬、核酸医薬といった中分子創薬にも適用できる人工知能の開発を目指す。本研究においては、人工知能に融合するための理論化学計算を土台とした基盤整備をすすめていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
がんや感染症などの重篤な疾患の撲滅に向けた多大な努力にもかかわらず、基礎研究で見出した魅力的な治療標的分子の臨床応用はなかなか進んでおらず、ベンチサイド (基礎研究)とベッドサイド (臨床)の間には大きなギャップがある。その理由の一つに、ある治療標的タンパク質に対する生理活性物質の同定がしばしば困難であることが挙げられる。我々はこれを克服するために、その第一歩としてLIGHTHOUSEと名付けた新しいAI創薬プラットフォームを開発した。アミノ酸配列のみから阻害剤を見出す全く新しいアプローチであり、抗がん剤やSARS-CoV-2感染阻害剤などさまざまな疾患治療薬を見出すことに成功している。LIGHTHOUSEの大きな制約としては現状のところ低分子化合物しか扱えないことが挙げられる。近年研究が進むペプチド医薬、核酸医薬にただちにLIGHTHOUSEを適用することは難しい。LIGHTHOUSEの精度をさらに改良するため、そして低分子化合物に限らない幅広い形状の医薬品開発へLIGHTHOUSEを拡張するためには、化合物やタンパクをより自然法則に則った数値に変換する基盤研究が不可欠である。
この目的達成のため我々が着目しているのは、量子化学のアイデアをLIGHTHOUSEに取り込むことである。医薬品は「分子」であり、そのミクロな世界を司っている物理化学法則が量子化学である。理論計算で求めた電子状態をもともとの化合物のSMILESから推定できる人工知能を構築する。加えて、この電子状態から情報量を失わずに数値ベクトルに変換する人工知能を別途開発する。いわば情報の圧縮とも言えるこの部分については、オートエンコーダー (自己符号化器) と称される一群の人工知能のフレームワークをベースに応用して構築する予定である。
タンパク質・化合物の既知のデータセットを使った訓練を行うことで、理論化学の知識を組み込んだ改良版創薬AIを開発していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロジェクト始動後、ごく最近になってAIを使って密度汎関数法 (DFT法) と呼ばれる量子化学計算を近似することで化学的精度を保ちつつ計算負荷をずっと軽くする手法が登場した。この報告自体は低分子化合物に焦点を当てた理論化学の論文なので創薬を意図したものではないが、すでに先行して研究開発を行っているLIGHTHOUSEと有機的に連携できるような基盤研究を推進することで任意の分子を標的にできる創薬計算法の実現に近づくと考えている。このように、プロジェクト始動後に別のチームから出た研究報告を受け、本プロジェクトの方向性を修正した結果、当初計画と比べやや遅れが発生している。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに修正済みの研究計画を立て終わりより大きなプロジェクトとして研究を遂行中である。また2024年度は東工大との統合を予定しており、東工大のスーパーコンピューターは大幅にアップデートされTSUBAME 4.0となった。TSUBAME 4.0においては量子化学計算の代表的なソフトウェアであるGaussianはじめ創薬計算科学に不可欠な一連のソフトウェアも搭載されており、統合後は我々も学内料金の非常に廉価な価格で使用できるようになる見込みである。これにより大量にジョブ (量子化学計算) を並列で実行できるようになり、研究も飛躍的に進展することが期待される。
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