Project/Area Number |
23K18530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内海 俊介 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (10642019)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 標本 / 進化的救助 / ミュゼオミクス / 徘徊性昆虫 / ゲノミクス |
Outline of Research at the Start |
分布シフトと局所適応は気候変動に対して相互に関わり合いながら同時に発生しうる事象だが、これらの過程の相互作用や相対的重要性は分かっていない。そこで、広域長期モニタリングで集積された標本を用いて、地球気候変動と、高温ストレス耐性や分散・生活史形質に関わる対立遺伝子頻度の時空間変化、および集団構造の変化を関連づけて解析し、気候変動に対する局所適応と分布シフトの遺伝基盤と総合的な時空間動態を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
気候変動に伴う温暖化の進行による生物の絶滅リスク上昇が懸念されている。温暖化に対する生物応答として、分布シフトとフェノロジー変化の二つがもっぱら注目されてきたが、近年、第三の応答として体サイズ変化(特に、体サイズ減少)が指摘されている。体サイズは基盤的な機能形質であり、その応答パターンや変化のメカニズムを明らかにしすることは、生物個体群の存続可能性と絶滅リスクの予測に対して重大な意義を持つ。しかし、温暖化進行下の野外における体サイズ変化を調べた先行研究では、群集レベルあるいは種間レベルの応答に焦点をあてることが多く、種内変異が考慮されておらず、体サイズ変化が迅速な進化による応答なのか、あるいは可塑的応答なのかといった根本的メカニズムの解明に繋がる知見は乏しい。また、これまで体サイズ変化は、気温上昇下での一貫した線形的変化が仮定されてきた。しかし、可塑的応答と進化的応答の交絡、そして、急激な気候変動による複合的な環境因子の交絡によって、体サイズの時間変化は非線形的である可能性がある。以上を踏まえると、気候変動による生物適応動態のメカニズムの解明と適切な将来予測を目指すためには、まずは種内レベルでの形質応答パターンの時空間動態を明らかにする必要がある。そこで今年度は、日本各地で過去20年にわたって標本が収集されてきたクロツヤヒラタゴミムシに着目し、体サイズの時空間動態を解明することを目的とした。特に、1)線形的な体サイズ減少傾向はみられるのか、2)局所集団間で体サイズ動態は異なるのか、を検討した。北海道から和歌山にかけた5地点の解析結果より、温度上昇に対して非線形的な体サイズ変化が示された。また、標本からのDNA抽出を行うとともに、生体からのDNA抽出を行い、HiSeqシーケンスとNanoporeシーケンスを実施して、リファレンス配列を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標本のデジタイズと体長計測がほぼ完了し、20年間の体サイズ動態とそれを駆動する気候要因との関係が明らかになった。また、標本からのDNA抽出とターゲットエンリッチメント解析を実施できた。そして、リファレンス配列の取得もできた。同時に、生体をもちいた飼育実験も実施し、RNA-seqにかかる用意も進んでいる。それらのことから順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
温度操作下での飼育実験を継続し、幼虫と成虫のRNA-seqを実施する。さらに、RNA-seqで顕著な違いがみられたターゲット遺伝子群について焦点をあて、標本DNAにおける変異を探索していく。また、すでに実施済みの標本DNAにおけるミトコンドリアDNAでのエンリッチメント実験についてのデータ解析を進展させる。
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