Project/Area Number |
23K18577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
磯谷 綾子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (20444523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由利 俊祐 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (10800881)
笹井 紀明 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80391960)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 再生医療 / 脱細胞 / 臓器移植 / 異種間キメラ / 胚盤胞補完法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、胎児の臓器を成体内で機能的な臓器に成熟させるために、1.胎児臓器を包む容器、2血管新生を促す成長因子を吸着させる支持体として、細胞を除去した細胞外マトリックス(脱細胞 ECM)に注目して検討する。 このように、立体構造を保持したまま、胎児の臓器を成体内で成熟させる方法の確立は、 胎児の臓器をドナー臓器として使える可能性をもたらし、将来的には、異種間キメラで形成された多能性幹細胞由来の臓器をドナー臓器として実用化するためには必要な技術になると予想している。
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Outline of Annual Research Achievements |
臓器移植は、臓器機能不全の抜本的な解決方法となる最先端医療の一つであるが、移植のドナーが絶対的に不足しているのが現状である。これらを補うために様々な研究が行われており、近年、動物の体内で臓器を作らせる方法として、異種間キメラ動物が注目されている。臓器欠損の表現型を持つホストの胚盤胞にホストと異なる種の多能性幹細胞をインジェクションして、ホストの欠損臓器を多能性幹細胞由来で補う胚盤補完法により異種間キメラ動物の体内で臓器が作られる。しかし、誕生までにほとんどのキメラ個体が致死となる。せっかく多能性幹細胞由来の臓器をキメラ体内で作る事が出来ても、移植までにキメラが死んでしまっては、ドナー臓器を作る方法としては、極めて非効率な方法になる。 そこで、本研究では、細胞を除去した細胞外マトリックス(脱細胞ECM)を1.胎児臓器を包む容器、2.血管新生を促す成長因子を吸着させる支持体として使い、胎児の臓器を成体に移植して立体構造を保持したまま成熟させる方法の開発を目指している。 現在までに、血管新生を促す成長因子を吸着させた脱細胞を、マウス腹膜下に移植し、血管新生が起こっていることが確かめられた。また、血管新生を促す成長因子を染込ませた木綿糸を成獣の任意の臓器に縫い付けた後、免疫拒絶の起こらない同系統のマウスに移植したところ、10日間の生着が認められ、血管新生を促す成長因子が移植臓器の生着に有効であることが示唆された。 さらに、胚盤胞補完法で、多能性幹細胞由来の臓器を作るために、新たな臓器欠損モデルマウス、および臓器欠損モデルラットを樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血管新生を促す成長因子を染込ませた脱細胞ECM及び、木綿糸を用いることによって、腹腔内に移植すると、周辺に血管新生が引き起こされ、誕生後の臓器でも生存することが確かめられた。しかし、胎児の臓器の発育については、まだ検証しきれていないため、やや遅れていると、判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、胚盤胞補完法で作製する胎児の臓器を立体構造を保持したまま成熟させるために、血管新生を促す成長因子を吸着させた脱細胞で、胎児の臓器を包み、同系統、もしくは、免疫不全マウスの腹腔下に移植する。 また、ラット胎児の臓器を異種の免疫不全マウスで成熟させることができるかも検討する。 さらに、現在は、脱細胞ECMを移植直前に計画して調整しているが、実験操作の効率化のために、冷蔵もしくは、冷凍保存したものの、血管新生の促進力についても検討する。
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