Innovative fabrication of functional biocomposite materials
Project/Area Number |
23K18588
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 英次郎 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20581614)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
|
Keywords | コラーゲン / エラスチン / 人工靭帯 / 人工腱 / 複合材料 / 力学特性 / 人工組織 / 生体材料 |
Outline of Research at the Start |
私たちの体の腱,血管など力を支え,伝達する組織は強さとしなやかさ(非線形な弾性)を併せ持ち,健康を支える重要な組織であるが一度損傷または病変すると自己再生は難しい.これらの組織は強くて丈夫なコラーゲン線維と,コラーゲンと比べて強度は低いがよく伸びるエラスチン線維で構成されており,その修復に用いる人工組織の開発には生体特有のしなやかさを実現するには両者の機能的な複合化が必要である. そこで本研究ではエラスチン線維とコラーゲン線維の形態・機能を模倣した強く,しなやかな人工組織を作製する技術開発に挑戦することを目的とする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
従来軟組織(血管や腱,靭帯)の損傷や病変に対して治療現場で用いられてきた合成高分子製の人工組織は剛性が高過ぎしなやかさに欠けること,および長期の安定性に課題がある.そこで本研究は人体でそれらの軟組織を構成するタンパク質であるコラーゲンとエラスチンを線維状態で複合化させ,「しなやか」な人工組織を開発すること目的としている.今年度はエラスチンを線維化した状態でコラーゲン線維と複合化する方法の検討をおこなった.想定している人工組織は腱,靭帯の代用となるものなので紐あるいは棒状の組織であることから,エレクトロスピン法で作製したエラスチン線維膜を棒状に加工したものについてコラーゲン線維との複合化を目指した.より具体的には,作製したエラスチン線維膜を化学架橋したのち,ガラス棒で線維膜を巻き取ってロール状にした.これを中和したコラーゲン溶液に浸漬することでコラーゲン溶液をエラスチンロールに含浸させ,続いて加温することで含浸したコラーゲン溶液中のコラーゲン分子を線維化させ,エラスチン線維と複合化させた(ロール法).この複合体に力学負荷と化学架橋を同時に作用させることで線維配向誘導と架橋による強度向上を同時に目指したものの,エラスチンロール内へのコラーゲン溶液の浸透が少なく,エラスチンの特性が強く出た複合体の作出となった.そこで複合化法を改良し,エラスチン線維膜をロール状にすることなく平膜のまま中和コラーゲン溶液を含浸させたところ,エラスチン線維とコラーゲン線維がよく共在する複合体を作製することに成功した(平膜法).これに線維配向誘導と化学架橋を同時に施したところ,ロール法と比べて破断強度を10倍となった.これはロール法と比べてエラスチン量に対するコラーゲン量を増加させることできたためと考えられる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初考案した複合化法の問題点を的確に改良することで,より強度の高い人工組織の開発に成功したと考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は人工組織を適用する部位,症状に応じた力学特性値を推定し,その値を目標として複合化法を最適化することに目指す.
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)