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創発概念の探究を通じた現代科学の統一的理解の構築

Research Project

Project/Area Number 23K18607
Research Category

Grant-in-Aid for Research Activity Start-up

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section 0101:Philosophy, art, and related fields
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

森田 紘平  神戸大学, 大学教育推進機構, 特命助教 (50977155)

Project Period (FY) 2023-08-31 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Keywords創発 / 物理学の哲学 / 科学哲学 / マルチスケールモデリング / 粗視化
Outline of Research at the Start

創発とは「 部分の総和よりも大きな全体」になるような事象を指す概念である.非生命である原子から構成されている生命が代表的である.一方で,創発は生命に限らず,物理学や生物学など幅広い領域の科学で用いられている.この研究では,広範な事例で用いられる創発という概念の一般的な理解を提示することにある.さらに,創発と関連する様々な事例の中で,用いられる手法が共通する事例を抽出し検討することで,横断的に事例を検討する.これを通じて,科学の統一的理解を与える枠組みを提示する.

Outline of Annual Research Achievements

本年度は,創発という概念自体の理解を深めるとともに,工学というこれまで哲学では十分に検討されていなかった分野の知識の生成の仕方について検討した.
まず,物理学における創発の代表的な事例である超伝導という現象を,物理学におけるその他の創発の事例やそこから得られる哲学的な含意と比較分析することで,創発概念の理解を深めた.超伝導は非常に低温の領域において,物体の電気伝導度が0となるような現象である.この現象がミクロな構成要素から自律的であることから,創発であると論じられてきた.しかし,これに対して,超伝導は創発ではあるが,自律性は本質ではないことを指摘し,さらに一般に自律性が創発を含意するわけではないことを示した.
また,創発という概念を用いる領域としてシステム工学・システム学が知られている.システム学に限らず,工学全般は哲学の主題となってこなかった.技術の哲学として主に検討されるのは結果として現れる技術の性質である一方で,そもそもそのような技術をどのように生成しているのかという観点は十分に検討されてこなかった.本研究の目的は,分野横断的な創発概念の確立と,その概念を通じた創発にまつわる科学の横断的な理解の提示である.そこで,これまでの創発に関する分析を通じた定義を暫定的に与えて,システム工学における創発の事例を検討した.システム工学における創発と物理学における創発の類似点を明らかにするとともに,その相違点として目的の重要性を指摘した.目的が工学的なシステムだけでなく,その外部系である環境系の捉え方にも影響を与える点が特徴的であることを示した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は,分野横断的な創発を捉えることができる創発概念の理解を提示することにある.この研究については順調に進展しており,論文の投稿準備中である.また,超伝導についての分析を行うなど,事例の拡張を行なっている点で順調である.一方で,新しく工学の事例の分析を行なったため,当初計画していた事例の分析は行えていない.ただし,これはより一般的な創発概念理解につながるもので,大きな問題ではないと考える.

Strategy for Future Research Activity

研究計画に従い,これまでの物理学に関する事例の検討との接続を踏まえて,特に生物物理学を事例とする分析をおこなう.また,本研究計画は,創発をもたらすような手法に関する分析を行うため,超伝導を事例として,どのような操作・理想化が創発的な現象に本質なのかを検討する.

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] Emergence in systemics from philosophical perspectives” (in Workshop: Advancing a Philosophy of “Systems”)2023

    • Author(s)
      Kohei Morita
    • Organizer
      SPT2023
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Robustness and Autonomy imply Emergence?2023

    • Author(s)
      Kohei Morita
    • Organizer
      PSA2023 Around the World
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-09-11   Modified: 2024-12-25  

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