Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究は、議論従事者の資質・行為や議論の構築方法への言及がみられる新ニヤーヤ学派、ジャイナ教、法典等のサンスクリット文献の分析を通し、中世インド議論学における議論構築の方法論を解明する。仏教の影響力が減退する後11世紀以降の文献に詳述される議論学の実践的様相を思想史上に位置づける本研究を通して、「討論術から論理学へ」という発展史観では捉えきれないインド思想のプラグマティックな側面を提示する。具体的には、【A】新ニヤーヤ学派の議論学説の解明、【B】ジャイナ教議論学史の構築、【C】哲学文献と法典の比較研究という相関的研究の方向性を基礎づけ、成熟期の中世インド議論学史の展開を追う足がかりとする。