Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究では室町幕府八代将軍足利義政の文化事績のうち、和歌・連歌の業績に注目し、その研究基盤の構築を目指す。文人としての義政の活動歴は幼少より晩年まで、およそ半世紀にわたるが、現在こうした事績および作品を網羅的に集積した研究は存在しない。特に連歌の事績については、資料的な限界もあり、これまで本格的な言及がなされてこなかったといえる。最近、義政の句集として肥前島原松平文庫本『愚句』が再評価され、発句集『室町殿御発句』と合わせて、義政の連歌歴の実態を詳しく検討できるようになった。本研究ではこれら連歌資料の本文整備を主たる目的として、義政と文芸、さらには室町殿による文芸活動の史的意義を明らかにする。