Project/Area Number |
23K18669
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0102:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高崎 駿士 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (60983088)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 詩経 / 中国文学 / 唐代文学 |
Outline of Research at the Start |
歴代詩経学史に関する研究は、主に唐代以前(~618年)と宋代以降(960年~)の著作を中心とした検討が進んでいるが、中間に位置する唐代(618-907年)については、いまだその実態の解明が十分に進んでいない。 本研究は、第一に、経学としての解釈史の展開を現存資料のみならず佚書や逸文を対象とした網羅的な整理をおこなう。その上で、第二に、文学論や文学批評における『詩経』に関する言説を検討し、第三に、詩文作品における『詩経』に関する言説を検討することを通して、唐代における『詩経』受容の実態の明らかにすることを目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、唐代詩経学の展開とその実態の解明を目指すための基礎的検討である。先行研究では、唐代に詩経学関連著作が亡佚した原因の考察や、『毛詩正義』にみえる文芸思想の特徴、盛唐以降の『毛詩正義』に対する反発や問題提起、唐代に科挙制度の整備とともに隆盛する詩歌創作にみえる詩経の受容や影響などが検討されてきた。経学的側面のみならず、文学的側面にも注視した研究が近年増えつつある。ただし、研究の基盤となる詩経学関連著作に対する検討は十全だとはいえない状況である。 令和五(2023)年度は、まず、唐代詩経学に関する著作や作者に関する伝記資料や佚書逸文の整理検討を行い、次に、文学理論や文学創作における『詩経』に関する言説の検討を進めた。 具体的には、研究課題に関わる基礎的な作業として、二十五種の隋唐五代詩経学関連著作を対象に書誌学的調査を行なった。その結果、先行研究が関連著作として挙げている資料を一部訂正補足するとともに、特に、詩歌批評書であり作詩法の指南書である賈島『二南密旨』などの「詩格」への影響や、詩経と楽府詩との連続性を示唆する劉迅『詩説』について検討した。また、「詩格」関連著作への影響については、「六義」(風・賦・比・興・雅・頌)説が漢代以降の詩歌作品に対する評価に利用されている事例の分析検討を進めており、隋唐期における詩経学の展開としての意義を考察する予定である。これらの研究成果については、令和六(2024)年度に学会での発表と、論文での報告を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和五(2023)年度は、研究成果を発表するには至らなかったが、当初の研究実施計画で予定していた、隋唐期の詩経学関連著作の書誌学的調査と、文学理論や詩文作品における詩経受容について、主に「詩格」に関する資料を整理検討する必要性を確かめることができた。したがっておおむね順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和六(2024)年度は、令和五(2023)年度に引き続き、「詩格」関連著作における詩経学の影響について検討を進めるとともに、当初の研究実施計画で予定していた、正史や別集・総集の序文、個人宛の書簡などの詩評詩論にみえる詩経学の影響や、唐代詩人の詩歌作品における詩経学の影響についての整理検討も実施する。その研究成果は、学会や研究会の場での発表、公開に努める。
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