Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本課題は、中世における万葉集享受の実態解明に向けた基礎的な調査と研究を行うものである。従来、中世万葉集享受の研究は部分的な事象の把握に留まる傾向にあり、体系的な研究が進んでいない。その原因の一に資料面の未整備の問題がある。本課題では、万葉集の二次的編纂物を中心に、伝本や本文系統等の調査を行うことで、今後の研究の素地を整える目的を含む。加えて、それらの編纂物を生んだ中世後期社会の実態を射程に入れ、同時代において万葉集ないしは万葉集の二次的編纂物の生成がいかなる社会的意義や機能を有したかという点につき一定の見解を見出すことを目的とする。