Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
北海道東北部沿岸に5~9世紀頃展開したオホーツク文化は、北方に起源をもつ「異民族」の文化として知られている。オホーツク文化の遺跡からは豊富な骨角器(動物の骨や角を素材とした道具)が出土し、特に狩猟漁撈具や動物・人間をモチーフとした彫刻などが注目されてきた。しかし、これまでの研究は遺物の形態的な比較に留まり、素材や製作技術の検討は十分に行われてこなかった。特に道東部のオホーツク文化の集落である網走市モヨロ貝塚からの出土資料の多くが未報告であることが、研究上のボトルネックとなっていた。本研究ではこうした過去の出土資料の分析を進めることによって、オホーツク文化の骨角器の全体像を明らかにする。