Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究は、中世の仏教的世界観及びそれを背景とする中世国家の成立について、鎌倉初期の歴史書や歌論書を主な題材として、当時の貴族層が自らを取り巻く現象的・観念的世界の構造をいかに認識し、表現したのか考察するものである。特に和歌を神代から存在する和語(やまとことば)で詠んできたものとする歌論書が、当該期に頻出したことは「日本」におけることばのありようが振り返られたものと捉え、そのことばの真理性をめぐる言語認識が、いかにその世界の構造に統一性を与えたのか、検討することを目的とする。これにより、日本中世における仏教的世界の構造の把握と、中世国家の成立の因果関係の解明を目指す。