Project/Area Number |
23K18707
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0103:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 直人 京都大学, 文学研究科, 助教 (50982724)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 中世 / 京都 / 室町幕府 / 在京大名 / 寺社本所 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、室町幕府による都市京都の支配体制の実態を、支配の実務を担った在京大名に着目して検討することにある。特に、侍所・山城守護といった室町幕府の京都支配機構と関係しない場面で大名が京都支配に参画した事例を幅広く検討する。具体的には、寺社紛争や土一揆への軍事的対応、飢饉時の民政的対応などにおける大名の役割を通時的に分析し、京都支配における在京大名の役割の広範さと重要性を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)室町幕府による石清水八幡宮警固役に関する研究 室町時代の在京大名を中心に勤仕された石清水八幡宮の警固について研究を進め、松井直人「室町幕府の石清水八幡宮警固役」(『歴史評論』882号、2023年)を発表した。本稿では、従来、室町幕府の石清水八幡宮警固役として一括して論じられてきたものに、①放生会警固役、②輪番で勤仕される社頭警固役、の少なくとも2種類が存在したことを実証し、そのことを通じて、室町幕府の京都及び山城地域の支配が在京大名の集団的な関与によって実現していたことを主張した。本稿の作業から、室町幕府の当該領域支配を考えるうえでは、彼ら在京大名が具体的にどのような役割を果たしたのかを、特定の職掌(侍所・山城守護など)に限定せず、総合的に明らかにする必要があることを改めて確認した。 (2)在京大名の京都支配参画にかかる諸事例の網羅的検出 南北朝期~室町期の古文書・古記録刊本(『後愚昧記』『満済准后日記』『看聞日記』『康富記』など)から在京大名が京都支配に関与した事例を網羅的に検出し、編年する作業を進めた。その結果、①室町期には京都とその周辺地域の治安維持のために在京大名を集団的に動員する体制が採られていたこと、②在京大名は出動要請に応じて分国や京都周辺から要員を自身で調達していたこと、などの見通しを得た。 (3)研究課題にかかわる副次的成果 池享・桜井良樹・陣内秀信・吉田伸之編『みる・よむ・あるく 東京の歴史』全一〇巻(吉川弘文館)のうち、中世の記述に関する書評を依頼され、中世における都市と村落の曖昧性などの点に注目しつつ、これを執筆した(『都市史研究』10号、2023年)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
確認を要する刊本史料がことのほか多く、原本調査や、蒐集した情報の整理や論文化に向けた作業を十分に実施できなかった。今後は、網羅性を高めるために刊本検索のペースをあげるとともに、成果発表につながる作業内容のとりまとめを行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き刊本からの事例検出を進める。また、昨年度には十分に実施できなかった史料調査の実施とともに、学会報告と論文化を行うなど、本科研の総括となる作業を進める予定である。
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