Project/Area Number |
23K18739
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0104:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
有江 賢志朗 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 第一宇宙技術部門, 宇宙航空プロジェクト研究員 (00982373)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 氷河 / 質量収支 / 衛星 / リモートセンシング / 気候変動 |
Outline of Research at the Start |
近年,衛星データによる全球の氷河の質量収支観測が実施されたが,データの解像度が低いため,小規模氷河の質量収支の誤差が大きくなる課題が指摘されている.現在,解像度の高い光学ステレオ画像を取得できる衛星が稼働しているが,精度検証までおこなった高解像度の衛星データを使用した質量収支観測は実施されていない. そこで本研究では,「高解像度の衛星データを使用した補正と検証を含めた飛騨山脈の小規模氷河の質量収支観測」を実行する. 本研究によって,衛星データを使用した高精度の 小規模氷河の質量収支観測法が確立できれば,地球温暖化による氷河縮小に伴う水資源,海面上昇への影響の正確な推定への貢献が期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
近年の衛星データの品質向上により全球の氷河の質量収支観測(ある期間での氷河の質量の変化)が可能になったが,データの地上分解能が低いため,小規模氷河(氷河面積0.5平方㎞以下)の質量収支の誤差が大きくなる課題が指摘されている.全球の小規模氷河の高精度の質量収支観測は,地球温暖化による氷河縮小に伴う水資源および海面上昇の影響の将来予測において,極めて重要な課題である.現在,地上分解能の高い光学ステレオ画像を取得できる衛星が稼働しており,全球の小規模氷河の正確な質量収支観測が期待される. そこで本研究では“衛星データを使用した全球の氷河の高精度の質量収支観測”を目標に設定した.本研究の目的は,上記目標を達成するための第一歩目として,高地上分解能の光学衛星画像を使用して,申請者が多くの検証データを有する国内の飛騨山脈の小規模氷河において質量収支観測し,その実現可能性を検討することである. 2023年度では,10月に撮影されたSkysat(地上分解能:約1m)のステレオ光学画像を入手した.入手したステレオ光学画像とSfM-MVSソフトを使用して,飛騨山脈の杓子沢氷河周辺の地形表層モデル(DSM)を作成した.作成したSkysat-DSMと,申請者が所有している2018年10月の杓子沢氷河付近の高精度DSMを比較した結果,基盤地形(面積約25000平方m)では平均約0.5m,標準偏差約0.6mの相対高度差が確認された.杓子沢氷河での相対高度変化の平均値は,基盤地形での相対高度変化の標準偏差よりも大きい約1.9mであった.このことから,高地上分解能の光学衛星画像(Skysat)から作成したDSMで小規模氷河の質量収支を高い精度で観測できる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度では,10月に撮影されたSkysat(地上分解能:約1m)のステレオ光学画像を入手した.入手したステレオ光学画像とSfM-MVSソフトを使用して,飛騨山脈の杓子沢氷河周辺の地形表層モデル(DSM)を作成した.作成したSkysat-DSMと,申請者が所有している2018年10月の杓子沢氷河付近の高精度DSMを比較した結果,基盤地形(面積約25000平方m)では平均約0.5m,標準偏差約0.6mの相対高度差が確認された.杓子沢氷河での相対高度変化の平均値は,基盤地形での相対高度変化の標準偏差よりも大きい約1.9mであった. 以上,高地上分解能の光学衛星画像(Skysat)から作成したDSMで小規模氷河の質量収支を観測できる可能性が示唆できたため,本研究課題はおおむね順調に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では,2024年10月の杓子沢氷河付近の高地上分解能の衛星画像を購入し,購入画像から高精度のDSMを作成する.2023年10月と2024年10月の衛星画像から作成した杓子沢氷河付近のDSMを比較することで,衛星データを使用した杓子沢氷河(小規模氷河)の質量収支を観測する.また,2024年度では,衛星画像の撮影日時に合わせて,ドローン空撮,GNSS測量の現地調査を実施し,観測した杓子沢氷河の質量収支データの精度検証を行う.
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