Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究は、これまで曖昧で法学上の議論に馴染まないと批判されることも多かった萎縮効果論につき、理論的審査枠組みを提示しようとするものである。近時、憲法上の権利の行使は、直接的な禁止のみならず、こうした行使に対する負荷やコストが課されることがある。人々が自由を行使することを控えさせるような萎縮効果は個人のみならず、社会全体へのネガティブな影響をもたらす。本研究では、一方では個人権的なアプローチから、憲法審査の段階のうち「介入」概念を修正し、他方では客観法的な観点から法規範を憲法上統制する途を探る。