Project/Area Number |
23K18757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
九島 佳織 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (80982991)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 民主革命 / 体制変動 / 正統性 / 革命 / 民主化 / シグナル |
Outline of Research at the Start |
本研究は、体制変動後にどのように民主的正統性を獲得するのかという問いを立て、理論的及び実証的研究に取り組む。既存研究では、公的な制度改革が体制変動後の政治体制の正統性を形成すると指摘されてきた。しかし、一般大衆にとって、政治に関する知識を蓄え情報を収集するのは決して容易でない。このような状況下では、統治者は市民に「民主化したこと」を積極的に伝えることが重要になってくる。以上を踏まえ、本研究では、情報伝達を目的とした付加的な政策を「民主化シグナル」として概念化し、複数の手法を用いた実証分析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、体制変動後にどのように統治者が民主的正統性を獲得するのかについて、民主化をめぐる情報伝達という視点から体制変動後の政治過程を分析し、その情報伝達の手段と効果を理論的及び実証的に明らかにするというものである。 研究実績としては、第一に、予備的考察を行った。研究の初年度である2023年度は、理論化に取り組む前にまず事実そのものや傾向を把握するために、データを中心に分析を行った。ここでは、民主革命(democratic revolution)と呼ばれる市民が主体となって起こす制度外の体制変動に対象を限定し、より詳細な分析に取り組んだ。この点については論文を執筆及び投稿を行い、査読付き学術雑誌に掲載されることが決定した。 第二に、理論の精緻化である。本研究では自国が民主化したことを市民に伝えるという情報発信を目的とした政策を「民主化シグナル」として概念化し、具体的な政策を特定するために民主化研究や地域研究の観点から既存研究を渉猟して議論を整理した。その成果として、政策の一つとして想定している国際選挙監視については理論的及び実証的に分析を行い、その内容を論文にまとめ海外の査読付き学術雑誌に投稿中である。現在は、選挙管理機関に注目しデータの構築に着手している段階である。以上から、本研究で明らかにしたい民主化をめぐる情報伝達の「手段」については、順調に研究を進めることができたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の評価の理由として、理論的な枠組みを構築することに成功した点が挙げられる。プロジェクト初年度に研究の基礎となる部分を終えられたことで、次年度では実証分析の作業を集中して進めることが可能となった。 また、アウトプットが順調であったことも重要である。査読付き学術雑誌に掲載が決定した論文と、執筆を終えた複数の論文が投稿中の段階である。今後は、これらの論文が査読付き学術雑誌への掲載が決定されるように取り組んでいく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方針として、実証分析に取り組む。そのために、まずは量的に分析するためのデータを揃える必要がある。既存研究のデータセットでは網羅できない研究内容であることから、一次資料等をあたってデータを整備することが求められる。加えて、事例分析に着手する。国内外の研究機関や図書館を訪問して資料を収集する予定である。これらの資料をもとに、検証作業に取り組みたいと考えている。
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