Project/Area Number |
23K18772
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
橋本 誠浩 久留米大学, 法学部, 講師 (20980593)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 現代中国 / 社区建設 / 居民委員会 / 都市 / 中国共産党 / 民政部 / 政策過程 / ガバナンス / 自治 |
Outline of Research at the Start |
市場経済の拡大とそれに伴う社会変動に直面してもなお中国共産党による一党支配体制は維持されてきた。都市のガバナンスの安定化に重要な貢献を果たしてきたのが住民を管理するため複数の住宅区を1つの区画単位としてまとめられた社区だ。本研究は、共産党政権によって社区がどのように制度設計されたのかを調査することで、2000年以降の一党支配体制が強化されてきたカラクリを明らかにする。具体的には、社区建設政策の主管である民政部の政策文書の分析を通じて、社区の制度設計段階において政府が政策上の必要性に応じて自由に操作できるような組織配置および区画設定がなされていたという仮説の証明を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
中華人民共和国では、1980年代以降、市場経済の拡大とそれに伴う社会変動が起こってもなお、共産党による一党支配体制が続いている。本研究の目的は、都市住民の管理のため複数の住宅区を事実上の末端行政区画としてまとめた社区の制度立案過程を分析し、2000年以降の社区建設を基盤として展開された都市のガバナンスの安定メカニズムを明らかにすることにある。具体的には、社区建設を主管する国務院民政部の政策文書の分析を通じて、社区の制度設計段階において共産党政権が政策上の必要性に応じて自由に操作できるような組織配置および区画設定がなされていたという仮説の証明を試みる。 2023年度は、資料収集に重点を置いた研究活動を行った。まず、中国語の図書・資料を扱う専門書店を通じて、本研究の基盤となる中国政府・行政の関連資料を中国から入手した。中国国務院民政部の発行する『民政工作文件選編』の20カ年分と、社区建設に関する民政部官僚の執筆した資料集、各都市の人民政府が発行する地方志を多数収集した。 また、2024年2月には、オーストラリア連邦の首都キャンベラ市に所在のオーストラリア国立図書館を訪問し、『中共重要歴史文献匯編』を中心とする、中国共産党・中国政府の内部資料集の閲覧・収集も行った。 これらの資料を入手したことで、これまで先行研究があまり取り組んでこなかった1991年~2000年までの社区建設の政策立案過程を詳細に分析することが可能となった。分析結果に関しては、2024年度6月にアジア政経学会春季大会にて学会報告(口頭報告:題目「規模と中国共産党政権:民主集中制下での「コミュニティ」建設」)を行う予定である。 当該報告では、社区建設が提起された1991年頃の民政部内の政策議論を整理したうえで、複数の民政部官僚の意見が2000年以降の社区建設にどのように反映されたかを発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題採用第1年目は、国内外での資料収集の事前準備を行っていたため、予算支給開始の10月から年度の終わりまでに中国からの史資料の取り寄せと、オーストラリア現地での史料収集を十分に行うことができた。そして、収集した資料を基に、論文執筆を行い、その結果、2024年度のアジア政経学会春季大会での報告者として採用された。以上の状況から、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、2023年度までに収集した資料に基づいて論文執筆を進め、研究成果を公表することを主な研究活動とする。具体的には、まず、2024年6月に開催されるアジア政経学会春季大会で口頭発表を行う。その後、学会発表で得た評価や批判に基づいて論文を修正し、その後、学会誌または大学の紀要雑誌に投稿する。 また、論文執筆と同時に、国内外での資料収集も行う予定である。この資料収集の目的は、既に予定されている論文の執筆過程で明らかになった新たな事実や研究課題を詳細に分析し、当初予定していた研究成果をさらに発展させることである。
|