Project/Area Number |
23K18775
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0107:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
鳥谷部 貴大 一橋大学, 国際・公共政策大学院, 講師 (30978911)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 社会保障 / 生活保護 / 生活習慣病 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は生活保護受給者(被保護者)の健康及び就労状況を把握し、被保護者の健康状態の改善や就労復帰などに有効な自立支援政策を明らかにすることである。まず、自治体の持つ被保護者の行政記録を整備して、被保護者の世帯情報、就労情報、医療レセプト・介護レセプト情報を含むデータベースを構築する。次にケースワーカーの協力のもと訪問調査を行い、行政記録からは得られない健康状態の情報を収集する。構築したデータベースと訪問調査を組み合わせることで、被保護者の抱えている健康及び就労上の問題を分析して、どのような政策が被保護者の健康支援に有効か明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は生活保護受給者(被保護者)の健康及び就労状況を把握し、被保護者の健康状態の改善や就労復帰などに有効な自立支援政策を明らかにすることである。この目的を達成するために、2023年度は協力自治体から提供された被保護者に関する世帯情報や就業状況等の行政記録データおよび医療レセプトデータ、介護レセプトデータを取りまとめ、2016年から2023年の8年間にわたる被保護者のパネルデータを構築した。特に、過去の就業状況や所得等の行政記録データは協力自治体の情報システム管理会社の協力のもとで利用可能になったデータであり、本データを構築できたことは今後の研究を行う上で大きな成果であったと言える。また、協力自治体が2022年度に被保護者に対して実施した特定検診の受診勧奨に関するランダム化比較試験に関するデータと特定検診の受診状況および受診結果に関するデータの提供を受けた。こちらに関してもデータ整備を行い、現在分析中である。これらの行政記録データから得られる情報を補完するために行う訪問調査についても実施準備を進めた。具体的には、協力自治体と協議しながら調査票を作成し、少数ではあるがケースワーカーと被保護者の協力のもとパイロット調査を行い、計画中の訪問調査が十分に実施可能であることが確認できた。パイロット調査の結果をもとに調査票の調整、訪問調査の実施要領の作成を行った。最終的な調査票および調査実施要領に関して、協力自治体からの了承も得られており、2024年度にケースワーカーが被保護者を定期訪問する際に訪問調査を行う準備が完了している状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の研究成果は協力自治体から提供を受けた行政記録情報から被保護者に関するパネルデータを構築したこと、および訪問調査を実施する準備を完了させたことである。前者については、情報システム管理会社の協力もあり当初予定していたよりも多くの情報が利用可能であることがわかったため、データ整備に想定よりもやや時間がかかってしまった。しかし、すでに分析用データの構築は完了しているため、2024年度には当初の計画通りデータ分析を進めることができると考えている。また、後者の訪問調査については当初の計画通り、パイロット調査・調査票の作成・調査実施要領の作成が進んだ。これらの理由により、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は2023年度に構築したデータを用いて、被保護者の健康状態(もしくは受診行動)や就業状況のダイナミクスに関する分析を行い、その後、健康状態と就業状態がどのように相互に影響を与え合っているのかを分析する。また、特定検診に関するランダム化比較試験についても分析を行う。特に、特定検診に関する情報提供が受診率を上昇させたか、もしそうだとすれば、健康状態の意味において、どのような被保護者に対して効果が大きいのかを明らかにする。さらに、訪問調査のデータが集まり次第、データ整備および分析を行い、上述の行政記録情報を用いた分析を補完する。最後にこれらの分析結果を学術論文として取りまとめ、学術誌へ投稿する。
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