Project/Area Number |
23K18781
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0107:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
井上 俊克 滋賀大学, 経済学系, 講師 (30981394)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 物価指数 / 季節性 / 価格指数 / 数量指数 |
Outline of Research at the Start |
本研究は「季節性財の年次価格の標準的な計算方法においてバイアスは生じているか」という問いに答えることを目指す。 1年を通して価格の変動が小さい財であれば、平均値や加重平均、中央値といった、標準的な集計手法で計算した年次価格の間には差がない。 しかしながら、季節性変動がある財においては計算方法の違いによって集計した価格も変化する。 とりわけ標準的な集計手法のひとつである単価指数は財の同質性がなければ経済学的観点からは正当化されない。 本研究では経済学的アプローチに基づく価格指数を構築し、シンプルな集計手法においてどの程度バイアスが発生しているかを検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、経済統計や実証研究において一般的に用いられる季節性財の年次価格の計算方法に潜むバイアスを定量的に明らかにすることである。 従来、月次の価格と数量データから年次価格を算出する際、単純平均や月次数量を用いた加重平均(単価)が頻繁に用いられてきた。しかし、物価指数理論の観点からは、これらの手法では理想的な価格指数から乖離が生じる可能性がある。理論的には、需要側の便益を一定に保つために必要な支出額の変化を推計する生計費指数が望ましいとされている。単純な指数と生計費指数の乖離の程度を定量的に把握することは、単純な指数を利用する上で極めて重要な課題である。 本研究の意義は、経済統計や実証研究で広く用いられている季節性財の年次価格の計算方法に内在するバイアスを明らかにし、その影響を定量的に評価する点にある。この研究成果は、より正確な経済分析の実現に寄与すると期待される。 令和5年度は、日本の家計における生鮮食料品の価格と支出データを用いて分析を行い、学会や研究会で研究報告を行うとともに、論文を投稿した。残念ながら論文の採択には至らなかったが、研究報告を通じて有益なフィードバックを得ることができ、ワーキングペーパーの改訂に活かすことができた。今後も引き続き研究者との意見交換を重ね、論文の改訂と投稿を継続し、論文の採択を目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は執筆したワーキングペーパーをもとに学術誌に投稿しつつ研究発表を2回行った。残念ながら学術誌への採択には至らなかったが、研究発表を行うことで第三者の視点からフィードバックを得ることができ、ワーキングペーパーの改訂に繋がった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在はワーキングペーパーの改訂を行い論文の採択を目指している。また、論文の投稿後の査読期間を用いて、投稿中の論文には含めることができなかった研究計画を実行し新たなワーキングペーパーの執筆を予定している。 具体的に説明すると、現在の研究においては季節性の変化が物価指数にバイアスを与えることが分かっているが、データの制約のため、実際の季節性の変化が十分にとらえることができていない。このデータの制約の問題は、電子化されていない家計調査のデータを利用することで解決できる可能性が高い。この統計調査のデータを電子化し利用することでさらなる研究成果を生むことを計画している。
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