Project/Area Number |
23K18812
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0107:Economics, business administration, and related fields
|
Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
夏吉 裕貴 静岡産業大学, 経営学部(藤枝), 講師 (10979363)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 非営利組織 / 会計 / 理事会 / ガバナンス / 学校法人 / 公益社団・財団法人 / 社会福祉法人 / 管理会計 / 不祥事 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、非営利組織の外部役員が不祥事の発生に与える影響について実証的に明らかにすることである。 近年,社会問題解決の主要なアクターとして、非営利組織の重要性が高まっている。一方で、1990年代より日本の非営利組織において不祥事といわれる事例が多発している。そこで、2000年代以降、特に理事の独立性に焦点を当てたガバナンス制度改革が実施されている。 しかし、非営利組織の外部役員の導入の影響について、いまだ結論が得られていない。本研究は、日本において外部役員を導入が不祥事の発生確率に与える影響について実証的に明らかにすることで、将来的な制度改正に対して有益な示唆を提供することが期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、非営利組織のガバナンスにおける外部役員の導入が不祥事の発生に与える影響を実証的に明らかにすることを目的としている。近年、日本の非営利組織においては、ガバナンス強化の一環として外部役員の導入が推進されているが、その効果については未だ検討の余地があると考えられる。本研究では、米国の先行研究を参考にしつつ、日本の非営利組織における外部役員の役割を検証する。 本研究期間において、まず、外部役員が非営利組織において果たす役割について、理論的に整理を行った。現在までに、非営利組織に関する一部の先行研究のサーベイを完了し、理論的枠組みを構築した。日本の非営利組織制度はべいこくのそれとは大きく異なっており、日本独自の非営利組織に関する理論的枠組みの構築は、今後の研究に対して非常に有意義であると考えられる。 次に、データベースの作成を行い、公益法人、社会福祉法人、私立大学の財務・ガバナンスデータを収集した。これにより、日本の非営利組織における外部役員と不祥事の関係を統計的に分析する準備が整っている。また、リサーチモデルについては現在構築中である。本解析の進捗は、将来的な制度改正に対して有益な示唆を提供することが期待される。 現在では、公益法人を対象として理事会によるガバナンスが経営行動に与える影響について検証した論文を国内雑誌に1本投稿中である。さらに、現在新たな研究を進めており、外部役員とともに、同族役員に着目した研究について、12月に学会報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた計画は①先行研究のサーベイ、②データベースの作成、③多変量解析、の3点である。 本年度は、このうち②のデータベースの作成、③多変量解析を主として実行した。 特に、データベースの作成に関してはおおむね完了している。 さらに、多変量解析については現在、社会福祉法人の理事会の構成が財務報告に与える影響を検証するためのリサーチモデルの構築途中であり、先行研究のサーベイと並行して実行する予定である。 先行研究のサーベイについても、遅れることなく進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策は、以下の3点である。 ①データベースの完成:現在、社会福祉法人データが想定していた以上にサイズがあり、管理方法を変更している途中である。したがって、今後は社会福祉法人データベースの完成を急ぎたい。 ②先行研究のサーベイ:日本において、非営利組織の理事構成に焦点を当てた研究は数少ない。したがって、営利企業における取締役会の構成に関する先行研究を追加的にサーベイする必要がある。今後は、営利企業に視座を広げた先行研究のサーベイが必要である。さらに、本研究はエージェンシー理論に従って理論を展開するが、対象として、スチュワードシップ理論に関する先行研究のサーベイが必要である。 ③多変量解析:現在、先行研究に従って、いくつかのリサーチモデルを構築中である。統計ソフト(Stata)の導入は完了しており、リサーチデザインの構築が完了し次第、解析を行う予定である。 なお、今年度は本研究に関して、国際学会での報告を目指している。
|