Project/Area Number |
23K18825
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0108:Sociology and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
保井 啓志 筑波大学, ヒューマンエンパワーメント推進局, 助教 (00977803)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | イスラエル / ヴィーガニズム / 動物倫理 / 菜食主義 / 新自由主義 / テル・アヴィヴ / 批判的動物研究 |
Outline of Research at the Start |
イスラエルにあるテル・アヴィヴ市は、1990年代以降新自由主義的経済発展モデルを取り入れ、金融・テクノロジーの集積する世界有数の都市に成長した。このテル・アヴィヴ市では、動物の権利に対する意識の高まりから、近年ヴィーガン(完全菜食主義者)人口が飛躍的に増加している。本研究では、テル・アヴィヴ市において、動物由来製品を使用しないという消費運動であるヴィーガニズム(完全菜食主義)がいかにして新自由主義経済体制と結びついているのかを研究する。具体的には、テル・アヴィヴ市の行政におけるヴィーガニズムの位置づけ、現地活動団体の手法、食のテクノロジーに関する企業の取り組みの三つを分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年のテル・アヴィヴ市における、代替肉産業や新しい食のテクノロジーといった市の成長分野とヴィーガニズムが結びつき、その文脈においてヴィーガニズムが再注目されているという近年目覚ましい変化に着目し、その変化の特徴を文献調査やインタビュー調査によって明らかにするものである。2年の計画のうち、初年度では、当初の予定通り、補助期間の開始後、速やかにPC等の機器、現地語新聞、補足の先行文献を購入、これらの文献及びSNSなどのオンラインでの動物の権利に関する諸団体の言説、さらに手元のアーカイブ資料の分析に着手した。 その結果、テル・アヴィヴ市のアーカイブスなどから重要な新しい資料が見つかり、この読解と分析をおこなうことができた。これらの資料は、特に重要な部分に関しては日本語に翻訳を行った。一方で、当初予定していたイスラエルへの渡航は10月以降のガザ地区での情勢の悪化に伴い断念せざるを得なかった。しかしながら、先述の通り、既存の手元の資料と新たな資料の分析が進んでいるほか、インタビューを予定していた団体に関するオンラインで公開されている資料などを読解・分析することで補うことができている。このように、インタビュー調査から文献調査に重点を置くことによって研究を進めることができており、全体の研究目的の遂行に大きな支障はない。 これらの研究成果をまとめ報告するために、11月に行われる北米中東学会(Middle East Studies Association)の年次大会に個人研究発表を申し込んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度については、資料の読解とイスラエルでのインタビュー調査の二つを予定していた。資料の読解については新たにオンラインの文献調査によって重要な資料が手に入るなど、期待以上の成果が上がっている。一方当初予定していたイスラエルへの渡航は2023年10月以降のガザ地区での情勢の悪化に伴い断念せざるを得なかった。しかしながら、既存の手元の資料と新たな資料の分析が進んでいることから、インタビュー調査から文献調査に重点を置くことによって研究を進めることができており、全体の研究目的の遂行に大きな支障はなく、2年目に予定している研究成果発表の準備もおおむね予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
二年次には、引き続き手元のヘブライ語資料の読解を行うほか、7月に行われるチェコでのAssociatioon for Israel Studiesの大会に参加し、関連領域の研究動向を追い、本研究課題に有益な視座を得る。また、11月にはこれらの研究成果を、北米中東学会(Middle East Studies Association)において口頭発表をしフィードバックを得る。これと並行し、2024年9月からは研究成果を英語の論文の形でまとめ、英語での論文、“Veganism and Neoliberalism in Tel Aviv”(仮題)の執筆を開始する。最終的にこれらの研究成果は、社会学分野の査読付き学術雑誌であるFood, Culture & Societyからの出版を目指す。
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