Project/Area Number |
23K18855
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0108:Sociology and related fields
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
頼政 良太 関西学院大学, 人間福祉学部, 助教 (30980180)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 災害ボランティア / ベースの支援 / アクション・リサーチ / 被災者との協働 / 被災者 / 中動態 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、災害をきっかけに立ち上がったボランティア団体を対象に、アクション・リサーチやインタビュー調査を用いて、支援者と非支援者の関係がどのように変化していくのかを検討するものである。さらに、「能動態/受動態」の区分では捉えきれないボランティアと被災者との関係の変化を明らかにするため、「能動態/中動態」という概念を導入し、関係の変化のプロセスを分析することで、支援者と非支援者の関係の硬直化による弊害を乗り越える方法を明らかにするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、災害ボランティア活動における支援者と被支援者の関係に着目し、支援者と被災者の関係の固定化による弊害を乗り越える可能性を模索するものである。主に佐賀県武雄市で活動する「一般社団法人おもやい(以下、「おもやい」)」でのアクション・リサーチを実施する。「おもやい」は、2019年の佐賀県での豪雨災害をきっかけに立ち上がった団体であり、運営に被災者を含む多様な担い手が参画しているのが特徴である。本研究では、災害時のボランティア活動において、ボランティアと被災者との関係の変化を明らかにするために、「おもやい」の運営実態をアクション・リサーチを用いながら明らかにしつつ、他の被災地で災害を機に立ち上がったボランティア団体の調査も実施することとしている。 本研究では、計画通り一般社団法人おもやいでのアクションリサーチを実施した。特に、災害で被災した人に限定的な支援をおこなうだけではなく長期的な支援活動を実施している点に着目し、その支援のあり方を専門職としての支援ではなく支援の前後を支える「ベースの支援」と捉え、その実現方法について考察をおこなった。 他の被災地で設立されたボランティア団体へのヒアリングやアクション・リサーチも実施した。地域の方々と協働して活動をおこなっている団体に着目している。特に、2024年1月1日に発生した能登半島地震では、発生直後から被災者とボランティアが協働して実施しているボランティア団体の活動に参画し、断続的にアクション・リサーチをおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象へのアクション・リサーチは順調に進んでいる。データの蓄積も進み、学会発表も実施している。さらに、同様のテーマでの新たな調査対象へのアクション・リサーチも実施することができているため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、特に2024年1月1日に発生した能登半島地震での取り組みに対するアクション・リサーチを継続的に進めながら、これまで研究代表者が研究対象としてきた「一般社団法人おもやい」の取り組みとの比較等も実施していきたいと考えている。さらに、この間の調査結果を用いながら、災害ボランティアと被災者との関係を「能動態/中動態」の区分で整理し、災害後の支援活動についての理論的な位置付けを定めることを試みたい。
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